東友会と東京都保健医療局との懇談 実情をふまえた要望を出し合って
2024年11月15日、東友会と東京都との懇談会が都庁第一本庁舎の会議室で開かれ、東友会からは33人が参加しました。この懇談会は毎年1回開かれ、今回で33回目になります。
最初に疾病対策事業課の服部記代子課長代理が担当部長以下6人の職員全員を紹介。保健政策調整担当部の小竹桃子部長から、被爆者の高齢化に気遣い、東友会の相談事業の重要性にも触れた温かい挨拶がありました。
原爆犠牲者に黙祷した後、家島昌志代表理事が親身な対応を続けている都の担当者に感謝をこめて挨拶。進行を担当した村田未知子事務局長が東友会の参加者全員を紹介しました。
被爆証言は、練馬区の綿平敬三さん。20分という短時間でしたが、1歳8カ月で被爆して父を失ったこと、5歳のときから、生活のために働く母と別れ悲惨な少年時代をおくったこと、60歳のとき生涯で一度だけ母からもらった手紙の一節を映像を使いながら紹介。証言を聞きにきた保健医療局の職員が涙を拭う姿もみられました。
東友会の要望は、5点。(1)東友会の相談事業の水準が保てる委託費の支給について濱住治郎執行理事が、(2)都と連携した被爆者の実態にみあう制度の活用は、東友会の相談事例を紹介しながら的早克真相談員が、(3)被爆者健康診断の項目の追加と、(4)被爆二世の健康診断の項目の追加について興田茂・相談事業委員長が、(5)東京在住被爆者の被爆体験の保存と普及の事業の窓口一本化については中西俊雄執行理事が、それぞれ発言しました。
会場からは、青梅市の木村一茂さんが被爆者手帳に医師が健診内容を記載する部分の変更について、江戸川区の齊藤玉子さんが2023年にも要請した被爆者健診の指定病院について、「おりづるの子」(東京被爆二世三世の会)運営委員の中村尚子さんが、「被爆者の子」への医療費助成の白内障での審査について、事例をあげて改善を求めました。
東京都の二宮博文課長から、毎年要望がある東友会への委託費の確保など、要請項目のそれぞれについて丁寧な回答がありました。
被爆体験の保存と継承は毎年要請していますが、東京都の平和関連の担当は東京大空襲があった3月10日の「東京都平和の日」などの企画を担当している生活文化スポーツ局です。ノーベル平和賞の受賞の理由に体験継承があげられていることから、保健医療局を通じて生活文化スポーツ局の担当者と面談の機会を設けてもらうよう東友会は要請を続けています。