被爆者相談所および法人事務所
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原爆被害者の墓 あらたに1体納骨

55歳で亡くなった息子 85歳母の希望で

 2024年6月23日、八王子市高尾の東京霊園にある「原爆被害者の墓」への納骨がありました。「墓」は東友会の副会長だった山本英典さん(故人)が身寄りのない被爆者や家族が寄り添って入れるようにと、被爆60年の11月に建立しました。「墓」には1967年から1988年までの21年間に東友会の原爆犠牲者慰霊碑の下に埋葬された1体の遺髪と22体の分骨も合葬されています。
 今回納骨されたのは2年前に亡くなった被爆二世の木下国明さんの遺骨。55歳で腎臓がんのため死去しました。国明さんの母・柾子さん(85歳)は広島の被爆者です。
 柾子さんの夫・廣明さんが3年前に合葬されていますが、「3人の息子のうちこの子だけが独り身で私と一緒に暮らしていた。なんでこんなに早く逝ってしまったのか。寂しくて辛くて離れられない」と、柾子さんは2年間、自宅で遺骨を守ってきました。
 納骨には原爆被害者の墓保存会の村田未知子さんが同行。今回の納骨で、「墓」に納骨されている被爆者と家族は「刻銘」だけの4人を含めて61人になりました。2024年7月末にも1体の納骨が予定されています。

「原爆被害者の墓」の前には祭壇がしつらえられている。墓のそばに3人の人がおり、ひとりは白木の箱を持っている。
雨模様のなかの納骨式