被爆者相談所および法人事務所
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NPT再検討会議第1回準備委員会に参加して

核兵器は人類と共存できないことを訴え
日本被団協代表理事・東友会代表理事 家島昌志

 次回(2026年開催予定)のNPT再検討会議に向けた第1回準備委員会が2023年7月31日からオーストリアのウィーンで開催され、NGOである日本被団協の代表として参加しました。
 熱波に襲われているヨーロッパを覚悟して参加しましたが、当地は22度から25度の気温。快適に過ごせたことは幸いでした。
 会議3日目の8月2日におこなわれたNGOセッションにおいて、冒頭に発言を求められ、広島で被爆した体験を述べました。そして、悪魔の兵器たる核兵器と人類は決して共存できないこと、「世界終末時計」が残り90秒を指している今、この準備会議において核兵器廃絶に向けての議論が進捗することを、被爆者として強く願うと訴えました。
 一般討論における各国の主張は、ウクライナ戦争におけるロシアを非難する論調が多数見受けられました。中国が日本の福島原発の処理水の海洋放出を非難し、日本がこれに反論する場面もありました。各国代表団の半数が女性であることも驚きでした。
 会議の合間には、国連の中満泉軍縮担当上級代表が多忙のなか時間を割いてくださり、面談がかなったのは幸いでした。
 会期中に、メキシコ政府代表、イギリス政府代表、ブラジル政府代表、日本の小笠原一郎大使、オーストリアのアレクサンダー・クメント軍縮局長とも面談ができ、核軍縮の議論に全力を尽くしてほしいと要請することができました。
 会議の合間をぬって、反核に取り組む長崎ユース代表団一行や、世界で反核に取り組む若者ネットワークのユースフュージョンの代表者とも懇談の機会があり、被爆者の思いを伝えるとともに、若い力による核兵器廃絶への努力を激励する機会を得ました。
 貴重な機会を与えて頂いたご支援の皆様に心から感謝申し上げます。

着席し、手元の紙に目を落とす家島代表理事。家島代表理事のほうに向けられたカメラとマイクがあり、周囲の各国からの参加者の多くが席正面の高い位置に目を向けているため、発言中の家島代表理事がスクリーンかモニターに映っているものと思われる。
写真中央が家島代表理事