被爆者相談所および法人事務所
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相談員研修・交流会 独居・老老世帯支援と原爆症認定制度の活用

 2023年9月3日、東友会は、毎年恒例の相談員研修・交流会を開きました。これは東友会が東京都から委託されている事業のひとつです。
 被爆者の平均年齢が85歳となるなか、独居、高齢夫妻だけの家庭が大幅に増えている状況から地域での相談事業がますます重要になっています。このような被爆者に寄り添うために学びたいという被爆二世も参加し、熱心に学び交流しました。

 相談員研修・交流会には、14地区から26人、被爆二世3人、他県からの参加者も含めて30人が参加しました。
 第1テーマは「日頃から心がけておくこと イザ!というとき慌てないために」。東友会の的早克真相談員が、東京の高齢者の特徴や孤独死の問題を政府の資料をもとに説明し、独り暮らしの被爆者が心がけることとして、「外に出て交流を広げる」「目立つところに東友会や地区の会の連絡先を張り出しておく」「かかりつけの診療所を決める」などを紹介。「地域包括支援センターに連絡しておくとよい」とも話し、介護手当と介護保険の説明もおこないました。
 質疑応答と意見交換では、有益な話という声が多く、民生委員をしていた地区相談員から「民生委員は連絡員。仲良くしておくとよい」とのアドバイスもありました。
 昼食後は、村田未知子主任相談員が、第2テーマの「『原爆症』ってなに? ぜひ知ってほしいこと」の内容を36枚のスライドを使って講演。原爆症認定制度の仕組み、現在の認定基準を説明しました。あわせて、2003年から20年間続いた原爆症認定訴訟での被爆者と弁護団のたたかいも紹介。司法判断を厚生労働省の審査に取り入れさせるため、国会の全会派の支持を得たものの、厚労省が無視し続けている現状も述べました。
 村田相談員は、「人生を晒して国に立ち向かった原告のほとんどが亡くなった。被爆者の運動で広げた原爆症認定制度を広く知らせ活用してほしい」と訴えました。
 質疑応答では、がんのステージによる認定の可否、白内障の認定基準などの質問がありました。
 交流会では参加者全員が発言。「独居の会員には定期的に電話をしている」「区内の被爆者の2割が独居。近況を調べ手分けして訪問を始めている」「年末見舞いだけでは間に合わないので、会員にアンケートを送り、初めて健康管理手当の申請を手伝った」などの報告がありました。
 齊藤玉子・東友会相談事業委員長は「高齢被爆者と顔を合わせて日頃の悩みや心配事に耳を傾ける。初歩的なことだが、これが一番大事なことだと学習し、充実した一日だった」と話していました。

広い部屋に並べられた机に着席した参加者たちが、手元の資料を見るなどしながら、前方でマイクを持って立っている人の話を聞いている。
活発な意見交換、経験交流ができた集まりに