被爆者相談所および法人事務所
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被爆者の地区の会 人々と共同して

杉並区 区民と共同して
署名運動の原点見すえ 「原爆の図」を展示

 2019年3月4日から9日まで、セシオン杉並を会場に、「原爆の図 第10部『署名』を見よう」展が開かれました。杉並区平和都市宣言30周年を記念し、「原爆の図 第10部『署名』を展示する杉並区民の会」と杉並区が共催したもの。同会には賛同団体として杉並光友会も名を連ね、杉並光友会の原田英俊会長が共同代表を務めています。
 「原爆の図 第10部『署名』」は、1954年のビキニ被災事件を機に杉並の魚屋さんの呼びかけで始まった原水爆禁止の署名運動をテーマにして、画家の丸木位里・俊夫妻が描いた縦1.8メートル、横7.2メートルの大作。今回は第9部『焼津』もいっしょに展示されました。
 関連展示のコーナーには、第五福竜丸の資料、当時の署名運動の活動記録、杉並光友会60年の歩みなどが展示され、イベントコーナーでは被爆証言をはじめ、泉南中学放送演劇部の「杉並から世界へ」など、多彩な取り組みがおこなわれました。最終日は映画「夕凪の街 桜の国」の上映、ICANの川崎哲さんを講師に「原水禁署名運動から核兵器禁止条約へ」と題した特別講演が開かれました。
 来場者は2000人を超え、ヒバクシャ国際署名のコーナーでは547人分の署名が寄せられました。(久保田朋子)

絵画が展示された会場で、椅子に座って説明を聞く参加者
「原爆の図」の解説も(杉並)

稲城市 市民と共同して
忘れない福島原発事故 再稼働はやめて

 2011年から毎年「わすれないで!3.11 原発再稼働はやめて」をテーマに集会を開いてきて、7回目になる集会が2019年3月17日、稲城市の地域振興プラザで開かれ、「新潟県による『福島原発事故の検証』の現状と課題」と題し、田中三彦さんが講演しました。市内の12団体・個人でつくる「いなぎ平和と安全を考える連絡会」が主催したものです。
 講師の田中さんは元原発設計技師でしたが、会社を退職して1990年に『原発はなぜ危険か―元設計技師の証言』(岩波新書)を出版。その中で、日本の原発は「廃棄物処理」「廃炉技術」「大事故時の対応」の3つに対する明確な展望を持たないままスタートした、と記した硬骨の人。
 田中さんが現在委員を務める「新潟県技術委員会」は、新潟県が柏崎刈羽原発の再稼働問題を審議するために設けた委員会。現在進められている議論の中から福島1号機の「全交流電源喪失」は津波到着前に起きていた可能性などにふれ、「また同じように事故がくり返される危険がある」と指摘。そして根本的なこととして、「廃炉には100年単位の時間が必要。まだ生まれていない、事故を知らない世代が廃炉作業をやることになる」「柏崎原発は東京への電力供給のため存在している。新潟では日々課題として取り上げているが、東京都民はどれだけ真剣にこの問題と向き合っていますか」と問いかけました。(濱住治郎)

スクリーンのある会場で資料に目を落としながら説明を聞く参加者
自らの問題として(稲城)