東友会が証言活動の学習会 正しく、分かりやすく伝えるために
東友会は208年10月11日、「被爆証言を学び広げるための学習会」を開き、被爆者、被爆二世など40人が参加しました。被爆者の減少・高齢化により、自分の体験を話すことができる人が年々減ってきています。幼いときの被爆や胎内被爆者は当時の記憶がないため被爆証言ができないという人も少なくありません。「あの日」の悲劇をくり返させないという被爆者の悲願を引き継ぎ、実現していくため、被爆当時の実相、その後の生き方を伝え残していくことの大切さを確認するため、学び合う機会となりました。
講師には当時の記憶のある80代の被爆者を代表して大岩孝平代表理事。記憶がほとんど無い70代は3歳被爆の家島昌志業務執行理事。そして、36年間、被爆者の苦しみ・辛さに耳を傾け、亡くなって行く姿を見送ってきた村田未知子主任相談員。
大岩代表理事は、証言時に利用するスライドを映しながら、証言するときの準備やポイントを説明。「話す内容を先ず書いて見ること」「事前に話す練習、録音もして聞いてみる」。証言する時間に応じた組み立ても必要と語り、生かされたものの使命として語っていきましょうと話しました。
家島執行理事は、記憶は人それぞれ、自分は家族から聞いたことをまとめ、身近な人たちに起こった被爆の影響を語っていること。戦災誌などの資料を読んで幼児期の自分の記憶が結びついたと語りました。被爆後に体験した自らの生活の様子などを伝え核兵器廃絶の主張に結びつけているとも話しました。そして、特定の政治思想や宗教色を出すような主張は極力避けることを強調しました。
村田相談員は、相談員として聞いて来た被爆者の「思い」、「生き様」、「たたかい」を紹介。資料を示しながら相談員の視点から証言のポイントについて説明しました。
3人の話を聞いたあと、参加者から率直な質問、意見が出され、それぞれの経験を活発に交流しあいました。感想には「まず第一歩の学習会。今後も続けて証言ができるようになって欲しい」、「話を始めるポイントを書き出してみます」、「まず知っていることを正しく伝えることをやっていこうと思います」、「家族から聞いた話もOKと言われ、認知症になる前にまとめなければと思いました」など、積極的な声が寄せられました。