原爆犠牲者追悼のつどい 戦争をしない日本を子孫に残すために
東京都が主催する「原爆犠牲者追悼のつどい」と、東友会主催の原爆犠牲者慰霊碑への献花式が、2016年9月25日におこなわれました。テクノプラザかつしかで挙行された追悼式は、2013年までは東友会が主催してきましたが、その後東京都が主催となり、東友会が実行主体となって開催しているものです。雨の多い残暑厳しい季節ながら、この日は薄曇りで格好の式典日和となりました。
慰霊碑に献花
東友会が1967年に都民の寄付を募って建立した原爆犠牲者慰霊碑は、葛飾区のご厚意で、同区立青戸平和公園に移設されています。この慰霊碑の前で12時30分から始まった献花式は、大岩孝平代表理事が集まった50人の参列者を代表して献花し、全員が黙祷・礼拝をしました。
つどいは厳かに
「追悼のつどい」は14時から。テクノプラザかつしかのホールを会場に、東友会の濱住治郎執行理事の司会で厳かに執り行われました。
冒頭、原爆投下以降に亡くなったすべての原爆被害者の冥福と、後障害のために病床にある被爆者の快癒を願う黙祷を捧げました。
小池百合子東京都知事の代理として東京都福祉保健局の笹井敬子技監が式辞を、東友会の大岩代表理事が生き残った者の使命として核兵器廃絶とともに「永久に戦争をしない日本を子孫に残すために『憲法9条』を守る」と追悼のことばを述べました。
その後、東京都議会の川井しげお議長、岩崎学広島市長代理、神近宣博長崎市長代理、青木克德葛飾区長が挨拶。参列者を代表して、2016年8月に結成60周年を迎えた日本被団協の田中煕巳事務局長が「私たちの体験をとおして人類の危機を救おう」との日本被団協結成宣言の言葉を紹介して挨拶しました。
つづく献花は、「原爆を許すまじ」の曲と遺族が希望した原爆死没者のお名前が読み上げられるなかで、参列者130人が白いカーネーションを献げました。
原爆死没者に「献げることば」は、東友会の家島昌志執行理事が、広島での被爆体験と60歳でがんのために亡くなった父への思いを述べ、感動をよびました。
被爆二世の証言
2016年の被爆証言は、被爆二世の山田みどりさんが、実兄の被爆体験と被爆後の生き様を描いて2016年8月に出版した絵本「ヒロシマの少年じろうちゃん」を朗読しました。
柔らかな絵本の絵が映写装置の不調によって半分しか映写できないという残念な面もありましたが、証言は参加者に感銘を与えていました。
2016年の参加者は2015年より50人減りました。車イスで参加した方もいましたが、とりわけ遺族の参加が少なくなっています。
2017年度の「追悼のつどい」に向けて、東京都に相談しながら、式の日程や進行内容についても検討していく必要があります。