被爆者相談所および法人事務所
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東友会「地区相談活動交流会」「相談員養成研修会」開催

いっそう求められる被爆者の相談活動

 東友会の事業の重要な柱のひとつ相談事業をすすめる二つの集会が10月から11月はじめにかけて開かれました。一つは、東友会に参加する被爆者の地区の会によびかけて開いた「地区相談活動交流会」。もうひとつは、地区相談員から被爆者と家族にひろくよびかけて東京都の委託事業として開いた「相談員養成研修会」でした。

地区相談活動交流会 知恵をしぼった地区の相談活動

 東友会医療福祉委員会は、2013年10月30日に平和と労働センターで地区相談活動交流会を開き、14地区から28人が参加しました。これは、年1回東友会が開いているもの。
 山田玲子医療福祉委員長のあいさつの後、村田未知子相談員が、「東友会の被爆者相談事業」のテーマで、34年間の東友会の相談件数の推移を示し、相談件数が1000件以上増えた年には大規模な調査や運動の高揚があったと分析。相談事業が被爆者運動の基礎であること、東友会の相談事業の未来として、「被爆者が一人でもいるうちは相談事業の維持を」との思いで、若年被爆者と被爆二世の活躍を期待したいと述べました。
 その後は参加した14地区の交流。被爆者の訪問をつづけている地区からは、「支援の会と一緒に訪問して体験の聞き取りをしている」「老々介護の深刻な実態を痛感している」と、最近全会員にアンケートをおこなった地区からは「30%が独居という回答があったので区や社会福祉協議会に資料を渡した」などの報告がありました。
 一方で、「会員の4分の1が88歳以上で対応に苦慮」という地区や、「訪問は原水協の見舞金を配るときだけ」という地区が多く、「総会の回答はがきで近況を聞いている」という状態が多くみられました。
 しかし、交流会の参加者の半数近くは被爆当時5歳以下という若年被爆者。今後のひろがりが期待できる交流会になりました。

熱心にメモをとりながら活動交流する参加者のみなさん
地区ごとの悩みを出し合い、経験を交流した「地区相談員交流会」

第3回相談員養成研修会 ますます切実な介護問題を学ぶ

 2013年11月9日、東友会2013年度第3回相談員養成研修会が豊島区のエポック10で開かれ、会場いっぱいの39人が参加しました。テーマは「被爆者の介護と介護保険制度」。講師は的早克眞相談員でした。
 被爆者の平均年齢が78歳になるなか、東友会には介護に関する相談が増えています。
 被爆者の介護には、「介護保険制度」と「被爆者の制度」の2つが関係してくるため、両制度の活用が複雑で分かり難く、年ごとに制度の変更もあり、ケアマネージャーなどの専門家でもなかなか適切な対応ができないケースがあります。このため介護問題全般の理解を深めようと開催されました。
 的早相談員は、最新の介護保険制度と被爆者の制度との関連について詳しく説明。さらに、被爆者の「介護手当」についても説明しました。
 今回は、1時間以上もかけて町田市から参加した胎内被爆者が「若年被爆者の介護に関する調査結果は出ていないか」と質問するなど、被爆者の日常的な不安を反映するような積極的な質問が多数寄せられました。また、はるばる福岡市の被爆者会の相談活動の責任者が日帰りで参加するなど、被爆者のなかに介護問題に高い関心があることをうかがわせました。
 参加者からは、今後もこのような会を開いてほしいとの希望が多く寄せられました。

大型スクリーンに資料を投影しながら制度を説明
介護問題に絞って学習を深めた「相談員養成研修会」