原爆犠牲者追悼のつどい 原爆犠牲者を偲ぶ気持ち胸に

　東京都が主催した「2013年度原爆犠牲者追悼のつどい」が9月29日に開催され、被爆者、遺族をはじめ各界からの来賓など180人が参加しました。
　会場は、東友会の原爆犠牲者慰霊碑が設置されている葛飾区青戸平和公園に近い葛飾区地域産業振興会館。2013年からは東京都が主催し、東友会は実施主体として「つどい」の企画・運営を担当することになりました。

原爆死没者を悼み、過ちをくり返させない
遺族、被爆者、国民の願いに立って

　東京都が主催する原爆犠牲者追悼事業は、東友会が品川・東海寺境内などで開いてきた原爆犠牲者慰霊祭を引き継いだものです。
　東友会の追悼事業は、品川区にある東海寺の墓所、沢庵禅師の墓の隣りに、「広島・長崎原爆殉難者之の碑」（木碑）を建立した1965年に開催した「第1回原爆犠牲者慰霊祭」から数えて49回になります。
　その後、東友会が募金を集め東海寺のご厚意で境内に「原爆犠牲者慰霊碑」（石碑）を建立した67年以後、慰霊祭は東海寺境内で催されてきました。この事業が1996年に国の慰霊事業・東京都の委託事業となったときから東友会は、宗教色のない「追悼のつどい」を慰霊祭の後に開いてきました。
　2012年10月、原爆犠牲者慰霊碑を東海寺境内から葛飾区青戸平和公園に移設したことにともない、東友会の追悼事業が宗教色のない式典になったことから、東京都が正式に主催することになりました。
　そんな歴史を背負いつつ、2013年の「追悼のつどい」は、「原爆を許すまじ」のメロディーが流れるなか、白い折り鶴のモニュメントの前で開式されました。

主催者、来賓などから追悼のことば

　参列者全員の黙祷の後、主催者である都知事代理の川澄俊文福祉保健局長が、「原爆の犠牲となった尊い生命とご遺族のご労苦の上に今日があることを肝に銘じ、決して忘れてはならない人類の記憶として、次代を担う若い世代にも強く訴えていかなければなりません」、東友会の「たゆまぬ活動に、敬意と感謝の念を表します」との式辞を代読。大岩孝平代表理事の「追悼のことば」に続いて、吉野利明都議会議長が、都議会として「被爆者にかかわる問題については、国に対して施策の充実を働きかけてまいる所存でございます」と追悼の辞をのべました。
　広島市長のメッセージを広島市東京事務所の滝川卓男所長が、長崎市長のメッセージを長崎市東京事務所の神近宣博氏が紹介した後、東友会の原爆犠牲者慰霊碑の移設に尽力した葛飾区の青木克德区長があいさつ。参列者を代表して227万人の組合員が参加する東京都生活協同組合連合会の竹内誠専務理事が、東京の生協は今後も、「東友会の活動などを、広く都民に伝え続けていくとともに、自らも平和にかかわるとりくみを広めていくことをお誓い申し上げる」とあいさつしました。

　その後、主催者と東友会、遺族代表につづいて、参加した国会議員、都議会議員、三鷹市長、葛飾区議会議長などの自治体関係者、遺族、被爆者、都民が白いカーネーションを献花するなか、原爆犠牲者の名前が詠み上げられました。
　2013年の「つどい」の「原爆死を語り継ぐ」企画のタイトルは「語り継ぐ 母と子」。核兵器廃絶と原爆死没者への国の償いを求めて活動した3人の女性被爆者の願いを映像と集団証言で紹介し、感銘をよびました。
　「つどい」の参加者は、式典の前後に青戸平和公園に立ち寄り、慰霊碑に手を合わせていました。

「追悼のつどい」にご参列いただいた方がた （敬称略・順不同）

　全参列者をご紹介することは紙幅の都合でかないませんが、遺族・被爆者以外のみなさまの御芳名を掲載し、御礼に代えさせていただきます。

吉野利明（都議会議長）、高木美智代（衆議院議員・公明）、田村智子（参議院議員・共産）、中屋文孝（都議会議員・自民）、野上純子（都議会議員・公明）、和泉なおみ（都議会議員・共産）、中村ひろし（都議会議員・民主）、塩村あやか（都議会議員・みんな）、みやせ英治（都議会議員・都議会みんな）、西崎光子（都議会議員・生活者ネット）、滝川卓男（広島市東京事務所長）、神近宣博（長崎市東京事務所）、青木克德（葛飾区長）、清原慶子（三鷹市長）、梅沢五十六（葛飾区議会議長）、橋本由美子（多摩市議会副議長）、倉根康雄（西東京市議会副議長）、牛山正（葛飾区議会議員・公明）、安西俊一（葛飾区議会議員・自民）、中村しんご（葛飾区議会議員・共産）、米山真吾（葛飾区議会議員・民主）、小用進（葛飾区議会議員・自民）、渡辺キヨ子（葛飾区議会議員・共産）、内山利之（葛飾区総務部長）、石田昌江（葛飾区総務部参事）、杉本一富（葛飾区都市施設担当部長）、長谷川豊（葛飾区都市整備部公園課長）、竹内誠（東京都生協連専務理事）、中村紀子（東京都生協連）、奥山佐和子（東都生活協同組合）、園田久子（はたがや協立診療所）、川崎昭一郎（第五福竜丸平和協会代表理事）、村川糸子（けやき平和コンサートの会）、棗英司（キリスト者平和の会）、池田眞規（日本反核法律家協会）、赤松宏一（日本原水協）、関敬子（東京原水協）、戸瀬英男（東京原水協）、青木佳子（東京原水協）、橋本博（東京原水協）、木村陽治（葛飾原水協）、松岡雅樹（東京民医連）、榎本喜久治（東京空襲遺族会）、前沢淑子（中央社保協）、渡辺吉司（東京非核政府の会）、新千明（新婦人東京都本部会長）、酒井つる子（新婦人東京都本部）、永堀トミイ（新婦人葛飾支部）、木原登美子（ピースPeace同友会）、小山弘泉（浄土真宗綱取山正念寺僧侶）、野口弘次（葛飾区労連）、岡安清一（大田区職労）、石川貞夫（原爆忌東京俳句大会実行委）、田中千恵子（原爆忌東京俳句大会実行委）、木村康子（広島・長崎の火をともす会）、川澄俊文（東京都福祉保健局長）、高橋郁美（都福祉保健局保健政策部長）、阿部敦子（都福祉保健局保健政策部疾病対策課長）、大島靖（都保健政策局保健政策部疾病対策課被爆者援護係長）