原爆犠牲者追悼のつどい ふたたび被爆者をつくらない国の証し誓う
「核兵器廃絶の願いをここから再び広げよう」と、2012年10月7日、葛飾区青戸平和公園に移設した原爆犠牲者慰霊碑の前で、2012年度東京都原爆犠牲者追悼のつどいが執りおこなわれました。このつどいは、東京都の委託を受けて、東友会が毎年実施しているものです。
つどいは最初に東友会の飯田マリ子代表理事が「被爆者は、平均年齢77歳となり、老齢・病弱化が進んでいるが、核兵器廃絶と原爆被害への国の償いを求めて運動をすすめる」とあいさつ。東京都福祉保健局の川澄俊文局長が都知事のメッセージを代読し、都議会のともとし春久副議長があいさつした後、250人の参列者が、原爆死没者の名前が詠み上げられるなかで、折り鶴を献呈しました。
この折り鶴は式典のために各地で集められたもの。はたがや協立診療所では待合室に折り紙を置いて集めました。都議会自民党の野島善司幹事長は議員によびかけ、政調会が鶴を集めました。足立原水協は、鶴を二束の千羽鶴にして慰霊碑に献げました。
つづいて東友会の原爆死没者名簿に記名された5982人への追悼のことばを、大岩孝平業務執行理事が「日本政府が核兵器廃絶の世界世論の先頭に立つことを強く求めることを慰霊碑に誓う」とのべました。
来賓として広島市と長崎市の東京事務所長が両市長のメッセージを代読。葛飾区に住む東京地婦連の谷茂岡正子会長が参列者を代表してあいさつしたあと、民主党、自民党、公明党、共産党、生活者ネット・みらいの代表が政党や会派を代表して、追悼のことばを献げました。
寄せられたメッセージと参列者の紹介の後、遺族を代表して、2011年12月に亡くなった長岡和幸前葛飾・葛友会事務局長(東友会副会長)の娘・壬生田清乃さんが、「父が生涯をかけて核兵器廃絶を訴えた思いを、被爆二世の一人として継いでいきたい」とあいさつし、感動をよびました。
「語り継ぐ」をテーマにした「野外原爆展」では、日本被団協がつくった「原爆と人間」パネルの証言を、被爆体験の記憶がない昭和20年、21年生まれの被爆者と、ガンとたたかう昭和22年、24年生まれの被爆二世が朗読しました。
「追悼のつどい」には、都内自治体の首長と議会議長、国会、都議会、区市議会議員、支援団体と被爆者団体から80通のメッセージが寄せられ、会場に掲示されました。