被爆者相談所および法人事務所
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東友会「原爆犠牲者慰霊碑」移設 原爆被害くり返させない決意あらた

被爆者の願いと幅広い人びとの善意みのる
葛飾区立青戸平和公園内で除幕式を挙行

 東友会の原爆犠牲者慰霊碑が、念願であった公立公園に移設され、移設先となった葛飾区立青戸平和公園で、2012年10月7日に除幕式が挙行されました。心配された雨も1時間前にあがり、葛飾区公園課の手配で式典直前に清掃された公園には、東京都と葛飾区の代表をはじめ、遺族、被爆者、都内の市民団体から250人が参集しました。
 慰霊碑にかけられた白布が、飯田マリ子東友会代表理事、川澄俊文東京都福祉保健局長、ともとし春久都議会副議長、青木克德葛飾区長、梅沢五十六葛飾区議会議長、地元青戸自治町会連合会の片田光男会長の手でのぞかれると、拍手のなか、薄紅色の原爆犠牲者慰霊碑が黒土の上に浮かび上がりました。
 つづいて青木葛飾区長が、2011年にあいついで急逝された樺山たかし都議と葛飾・葛友会の長岡和幸事務局長からのつよい依頼をうけて慰霊碑を受け入れた経過をのべ、除幕をした東友会、東京都、都議会、葛飾区、葛飾区議会、地元自治町会の代表と参列した民主党、自民党、公明党、共産党と都議会生活者ネットワーク・みらいの代表、参列者代表の谷茂岡正子さん(東京地婦連会長)、遺族代表として長岡和幸さんの遺族が献花をおこないました。

原爆に奪われた「いのち」を思い続けて

 原爆犠牲者慰霊碑は、永年、東京の被爆者と遺族の心の拠り所になってきました。
 「広島・長崎で無残に亡くなった方がたを東京で追悼したい」という願いから東友会は、被爆20周年・1965年7月に、品川区東海寺の大山墓地に慰霊の木碑を建立しました。その後「永久的な石碑を建てたい」という声がつよまり、募金を集めて東海寺境内に慰霊碑(石碑)を建立したのは1967年8月。以後、東海寺歴代住職のご理解をえて、毎年、境内の慰霊碑前で追悼事業をおこないました。
 しかし、45年間という年月のなかで、寺院の境内に慰霊碑があるため原爆死没者名簿への記名を宗教上の理由で断念する遺族もあり、無宗教での追悼式を願う声が増えてきました。さらに、被爆者の高齢化が進み、慰霊碑の維持管理を非被爆者と都民の協力をえてすすめる必要性がでてきたため、東友会は公立公園内への移設をすすめてきました。
 今回の慰霊碑移設の費用は、東京都福祉保健局の協力で国の慰霊事業として国と東京都から助成を受け、被爆者と遺族、都民からの募金に支えられました。
 工事は、葛飾区公園課の全面的な協力をうけて45年前の建立に携わった和泉家石材店の手でていねいにすすめられ、葛飾区総務課が何回も説明会を開いて地元の理解をひろげました。

数人の人たちが紐を引いて、人の身長より高い慰霊碑にかけられていた大きい布が手前に落ちた場面。
「原爆犠牲者慰霊碑」の移転に尽力した関係者一同が力を合わせて除幕した瞬間
慰霊碑のそばに立ち、立てられたマイクを使って紙を読み上げる飯田マリ子代表理事。
除幕後、死没者に思いを馳せながら一般社団法人東友会を代表して御礼の言葉を述べる飯田マリ子代表理事