被爆者相談所および法人事務所
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東友会相談員養成合宿研修会 原発事故・相談活動・原爆症認定学ぶ

 東友会恒例の相談員養成合宿研修会が熱海市で2011年9月4日と5日に開かれ、49人が参加しました。

原発事故を巡り放射線の基礎を学び直す

 メイン企画は、放射化学の著名な研究者の一人、都立大学元総長の佐野博敏氏(三鷹・三友会理事)の「放射化学の基本と福島第一原発の話題」の講演でした。
 佐野氏は、スライドを使いながら、高齢被爆者にわかりやすい口調で、放射能の検出と計測から人体への影響、広島と長崎に投下された原爆と原発の構造の違いと核分裂生成物放射能の量との比較についてなど90分にわたって講演。8月26日に原子力保安院は、今回の事故で広島原爆173個分程度の大量の放射性物質が放出されたと発表したが、まだ放射性物質の8割は原発の中に残されていること、放射能は数十万年の単位でなくならないこと、閉じ込める自信がなければ持つべきではないことを強調。参加者は食い入るように講演を聞き、メモをとっていました。

前方にスクリーンの下げられた広い部屋。スクリーンの前にある演題で講師が話している。並べられた机に着席した参加者たちがそれを聞いている。
タイムリーな課題を泊り込みで深く学べた合宿研修会
講師の佐野博敏さん

きめ細かさが地区相談活動のポイント

 第2テーマは、山田玲子副会長から「相談事業のカナメ・地区相談員の活動をつよめるために」についての問題提起と地区活動の報告がありました。山田副会長は、東友会の結成宣言から相談事業の重要性を強調し、相談事業の第一歩は、自分が聞き手になって顔と顔を合わせることだと提起。8地区から家庭訪問の活動、アンケート、連絡網など、会員の実態を知り世話活動を強めるための工夫が紹介されました。

なお残る認定の問題点

 2日目のテーマは原爆症認定と集団訴訟。原爆症認定集団訴訟・記録集刊行委員会が作成した集団訴訟の8年間にわたる運動のDVDを観賞したあと、村田未知子相談員が、スライドを上映しながら「原爆症認定集団訴訟運動が広げた認定基準と審査の現状」について講演。「積極認定」の被爆状況にある直接被爆2キロ程度で心筋梗塞や肝障害などの却下があいつぎ、ガンなどでも「積極認定」の直爆距離を超えた遠距離被爆者が100時間以内に入市している事実が認められず却下されている現状を紹介。このままでは、裁判以外に解決の道がないことを報告しました。