被爆者相談所および法人事務所
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東日本大震災 東友会、高齢・独り暮らしの都内被爆者に安否確認

 東日本大震災を起こした大地震は、東京にも強い揺れとさまざまな被害をおよぼしました。東京でも被爆者の生活が心配されます。このため東友会は、地震の翌日(2011年3月12日)から介護を受けている独り暮らしの被爆者や高齢者世帯を中心に、50世帯に安否確認の電話を入れました。
 電話をすると被爆者は口ぐちに恐怖を語り、「知人が多数連絡をくれて心強かった」「病院を出たところで地震。顔見知りのタクシーの運転手がいて優先的に乗せてくれ助かった」「エレベーターが止まって3階の部屋までいくのが大変だった」「ベッド上の夫にヘルメットをかぶせて揺れのおさまるのを待った」「全身に痛みのある妻と机の下に何度も潜り込んだ。老夫婦二人の生活なのでこれからが心配」「介護にきた息子と2人で家の外に逃げた」「孫の卒業式で地方から出てきた娘夫婦が来た途端にグラッときた。結局その日は娘一家も泊まり、ひとりでなくてよかった」「地震はしのいだがいつも買っていたコンビニ弁当が品切れで困っている」などの声が返ってきました。
 文京区のAさんは、酸素ボンベを引きながら都庁にでかけ、新しく交付された被爆者手帳を受け、説明を受けていたとき地震に襲われました。Aさんの状態をみて東京都の被爆者援護係長は救急隊をよび、かかりつけの病院まで送る手配をしてくれました。
 電話をかけたほとんどの被爆者は落ちついていて、「東友会は優しい」と電話を喜んでいました。しかし電話がつながらない世帯が残り、地震から1週間、電話入れを続けました。

東日本大震災で犠牲になられた人びとのご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれたみなさまに心からお見舞い申し上げます。
東京都原爆被害者団体協議会

 東日本大震災で被害をうけたみなさま、犠牲となられたみなさまに、東友会は心からのお見舞いを申し上げます。
 東京在住の原爆被爆者から、東友会に電話でさまざまな声が寄せられています。「火に追われて必死で逃げた記憶がよみがえった」「メチャメチャに壊された家や倒れた電柱を見て、何もなくなってしまった広島と重なった」「原発事故で放射線被害者が出そうだなんて許せない」―66年前の辛い思い出と怒りがいっきにフラッシュバックしたといいます。
 戦争による被害と、天災による被害は違うでしょう。でも、被害をうけた人間の悲しみと苦しみは同じです。災害は、人間として生きるすべをすべて奪ってしまいます。
 被爆者はそんななかで、国民のみなさまからの励ましを受け、生きる力をいただき、必死で生きてきました。
 私たち原爆被爆者は、高齢化し、病弱化し、体の動きも定かではありません。このため気持ちだけの対応しかできませんが、災害に負けず、がんばってくださるよう、心からの激励を送ります。
 私たちは政府に要請します。被害者救援に全力を挙げてください。原発の事故は人災です。天災に加えて人災を絶対に拡大しないよう全力を尽くしてください。いったん被曝したら、生涯にわたる苦しみを背負わされることを、私たちは身をもって知っています。
 原子力依存の電力・エネルギー政策を大きく転換して、安全な自然エネルギーの利用研究・開発に全力を尽くしてください。
 私たち原爆被爆者は、1日でも長く生きて、災害被害者をつくり出さない政治、被害者を救援する政治、平和な生活をつづけることができる世の中をめざして、ともにがんばることを誓います。

「震災救援募金」を呼びかけます

 大震災に被災した各県被団協は、会員の安否確認に困難を極めています。東友会にも「義援金を贈りたい」という被爆者の声が届いています。
  東友会は日本被団協とともに「東日本大震災救援募金」をおこなうことにしました。
募金は、郵便振替00110-0-22914 社団法人東友会に「大震災募金」と記入してご送金ください。


(募金の呼びかけは、「東友」2011年3月号に掲載されたものです)