被爆者相談所および法人事務所
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【訃報】 東友会副会長 藤平とうへいのりさん

 2011年2月24日、胆嚢ガンのため死去。享年82歳。16歳のとき学徒動員先の東洋工業で被爆。当日、在学していた広島高等師範学校に戻り、以後、救援作業に従事しました。
 1966年から45年間、東友会常任理事・理事。1969年から、東友会事務局長、副会長、会長を歴任。日本被団協では1982年から東京選出代表理事、事務局長、代表委員。中野・長広会でも1968年から2010年まで43年間、会長として活躍しました。
 父の死後、父が保管していた被爆当時の日記と真っ黒な「報国隊」の腕章をみつけたことを契機に、1966年に被爆者手帳を申請し、被爆者運動に参加しました。
 東友会が1970年に企画し、大きな反響をよんだ被爆25周年広島・長崎墓参団では、42人が参加した広島墓参団の事務局長をつとめました。
 1974年の国家補償を求める被爆者援護法運動の最初の高揚期には、事務局次長として東友会を支え、初の厚生省前座り込みに参加。東京都に被爆者援護条例を求める運動では、東友会事務局長として調査の実施、都知事への面会、都議会での意見陳述をおこなうなどして、国が「被爆者援護法をつくらない」と明言していた当時の情勢を変えて、1975年に条例制定を実現。被爆者健康診断への上乗せとともに全国にさきがけて東京都が制定した被爆二世の健康診断と医療費助成制度を実現させました。
 その後も、中学校教師である立場から平和教育を実践。東友会では、原爆死没者の記録づくりや被爆の実相普及運動などを献身的にすすめ、温厚な人柄と、核兵器廃絶への熱い情熱をこめた発言は感動をよんでいました。
 2010年3月、胆嚢ガンで原爆症認定を求めて申請しましたが、認定通知は間に合いませんでした。

藤平とうへいのりさん