核兵器のない世界めざし手をつなごう 3・1ビキニデーに参加して
井上秀雄 (被爆者練馬の会)
船舶通信士として先輩にあたる久保山愛吉さんの死亡を、私はインド洋上で聴いたことを思い出します。
5月にニューヨークで開かれるNPT再検討会議を成功させるための意思統一の場として意義ある2010年の3・1ビキニデーに、東友会代表として参加しました。
久保山さんの墓前祭から始まり、日本全国と米国、グアム、韓国、マーシャルからの代表がつどい核兵器廃絶を誓い合う大集会となりました。
2月28日の全体集会には1100人が参加。米国のジョセフ・ガーソンさんは「オバマ大統領は核不拡散というが廃絶とはいっていない」と過度な期待に警告。グアム大学助教授のリサンダさんは「島民には発言権がない。普天間からの米軍基地移転は断る」と現地の実情を訴え、マーシャル=ロンゲラップ島のアンジャインさんは「米国が12年間におこなった核実験は67回。マーシャルからもニューヨークに代表を送りたい」と被害状況と決意を語り、ニューヨークに行く若者たちが壇上に並び、全員で集会アピールを採択しました。
分科会では、被爆の実相を語ること、若い世代への継承、被爆者支援などをテーマに討論。とくに印象的だったのは、地元・静岡の杉山さん(被爆二世)が、「父の原稿で語り部をくり返していると自分の追体験になってくる。核抑止論に負けないよう努力したい」という発言でした。