被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定 手術後9年の甲状腺ガンが認定

新たな事例、従来なら「要医療性なし」で却下

 2009年9月2日付けで、甲状腺ガンの手術後、甲状腺機能低下症に苦しむ被爆者が、原爆症と認定されました。申請の際に出した主治医の意見書には「平成11年8月27日、甲状腺左葉切除及び頚部リンパ節郭清術施行。術後、経過良好にて、定期的通院及び生涯甲状腺ホルモン剤内服が必要である」と記されていました。申請の9年前に甲状腺を手術で切除したため甲状腺ホルモン剤を飲むことが必要になっているが、ガンは治っているということで、これまでは「要医療性がない」として却下されてきた事例です。
 このため、申請にあたって東友会は、内藤雅義弁護士に「意見書」を依頼。内藤弁護士は、原爆症認定の第1の要件「起因性」では、集団訴訟の仙台高裁判決の内容と、これを受け入れた厚生労働大臣の国会答弁を引きながら「積極認定」の要件を満たしていることを強調。主治医が経過観察を必要とし、さらにホルモン剤内服が生涯必要とされていることから第2の要件「要医療性」も満たしていることは明らかだ、としました。このためか、通常では申請から1、2年かかる審査結果が8カ月で届きました。東友会では、この新しい成果を知らせ、原爆症認定申請の対応をひろげたいと話し合っています。