東京都と東友会の懇談会 ガン検診と二世施策の充実など要求
2008年度の東京都福祉保健局と東友会の懇談会が2009年1月22日に都庁で開かれ、東京都からは、住友眞佐美保健政策部部長、笹井敬子疾病対策課課長、鹿内弘実被爆者援護係係長など7人、東友会から飯田マリ子会長をはじめ44人が参加しました。
開会にあたって住友部長は、東友会の50年の運動に敬意を表しながら「直接にうかがえるみなさんの声を生かしていきたい」とあいさつ。鹿内係長からは、健康管理手当などの諸手当をゆうちょ銀行でも受け取れるよう準備をすすめていることなどが紹介されました。
飯田会長から、今回の懇談会が17回目にあたること、被爆者援護条例の制度など他県には見られない東京都の施策に感謝をのべたあと、塚本美知子法人理事が広島で父が直爆死したこと、母を中心としたその後の一家の生活を証言し感動をよびました。
つづいて、前立腺ガンでの原爆症認定申請が増えていること、すべてのガンが原爆症認定の「積極認定」の対象となることから、ガン検診の疾病項目の追加、原爆症認定医療を担当する「認定医療機関」の増加、被爆者と被爆二世の健康診断の充実、被爆二世の医療助成の充実と医療費助成認定期間の延長、東友会への被爆者健康指導事業委託費の増額などについて、三宅信雄・大岩孝平常務理事、山田玲子理事と村田未知子・的早克眞相談員が発言し、藤平典副会長が2月に都庁展望室で開催する原爆展に都知事や局長が入場するようはたらきかけてほしいと要請しました。参加者からも、「申請中に亡くなる被爆者が増えているので原爆症認定審査の迅速化を国に要望してほしい」「子どもが病気にかかるたびに、被爆者が子をなすべきではなかったのではないかと悩む」という声などか出されました。
これらの要望に対して笹井課長は、「認定医療機関」の追加を働きかけていることなどを説明。これに対して「女性被爆者には乳ガンや子宮ガン検診が追加されているのに、男性被爆者には前立腺ガン検診がないのは問題と考えてほしい」という発言もありました。