原爆症認定集団訴訟 東京訴訟 証人尋問 国側は専門違いの質問ばかり
裁判所に公正裁判署名3000人分の提出も
東京での原爆症認定集団訴訟第13回口頭弁論が2005年11月24日にひらかれ、被爆者と支援者100人が傍聴しました。
この日の東京地裁103号法廷では、2005年9月22日に被爆者側の証人として尋問に立った濱谷正晴・一橋大学教授への国側の反対尋問がおこなわれました。この日は、予定されていた被爆者側の証人が、健康上の理由で尋問に立てなくなったため、濱谷証人への反対尋問だけでした。
社会学者として40年ちかく被爆者を調査した実績と日本被団協の調査結果から被爆者の精神的苦痛や核兵器廃絶への願いを証言した濱谷証人の証言に、国側の代理人は、専門違いの尋問をくり返すばかり。「あなたは医学的知識がありますか」などしか質問できない国側代理人の発言に、傍聴者から失笑がもれる場面もありました。
この日も、口頭弁論の前に厚生労働省前での要請行動が、弁論の後には報告集会が開かれました。「東京おりづるネット」の代表は、原告や被爆者とともに3000人分の「公正な判決を要請する署名」を東京地裁に提出。これまで提出した署名は累計2万9865人分になりました。
全国の状況 近畿では14日に結審、2006年は広島でも
原爆症認定集団訴訟は、全国12カ所の先陣を切って2005年12月14日、大阪地裁が最終弁論・結審を迎え、2006年春過ぎに最初の判決が出されることになりました。
原告が9人、弁護団が41人という近畿弁護団が作成した「最終準備書面」はA4判192ページ。訴訟の意義、原爆被害の実態から原告一人ひとりが原爆症と認定される要件を明らかにし、国の責任を厳しく問いただしています。
この日の法廷には、2006年2月22日に結審となる広島弁護団からの発言もありました。
東京地裁の裁判は2006年2月末に証拠調べが終わり、結審の日程が決まるものと思われます。