原爆死について学び、語り合う交流会 被爆時の鮮明な記憶の証言もとに
「原爆死について学び、語り合う交流会」、が2023年7月23日の「追悼のつどい」の終了後、同会場の会議室で開かれました。主催は同実行委員会。参加者は46人でした。
今回は、被爆体験の継承をすすめるために、被爆当時の鮮明な記憶があり、日本被団協や東友会の運動を中心になって支えた被爆者の証言を、生協組合員が朗読したのち、参加者が意見交流する企画が組まれました。
証言を紹介された被爆者は、伊東壯さん(元日本被団協代表委員・東友会会長・被爆当時15歳)、長尾當代さん(元東友会副会長・被爆当時35歳)、田川時彦さん(元東友会会長・被爆当時16歳)の3人。朗読したのは東京都生協連の星野綾子さん、大田敬子さん、池田智子さんの3人です。
その後、被爆二世からは「原爆死した家族の遺体を自分で焼いた経験を持つ父は、火への恐怖が強く、ストーブを蹴り倒して火事を起こしたことがあった。子どもへの暴力もあり、これは自分のトラウマにもなっている」こと、「1977年NGO被爆問題シンポジウム」の調査員として被爆者の対面調査をした支援者からは、「助けを求める人を見捨てて逃げた体験を話せなかった被爆者が、その体験を話し人と共有することで立ち上がれたことに感動した」ことなどが語られました。
朗読した3人は、「証言者の思いを伝えられるよう、一言ずつ気持ちをこめてリハーサルをした。語り継ぐことの大事さと自分たち役割に気づいた」と語りました。
まとめを担当した東京原水協の市川順子さんは、「被爆時のことが脳裏に焼き付き、後障害に不安を抱いた被爆者の証言に、原爆の恐ろしさをひしひしと感じた。原爆の非人間性を強く訴えていくこと、このような会を続けることが大切。原爆被害への国家補償と核兵器廃絶のために、被爆者のみなさんと手を携えてがんばりたい」と結びました。