被爆者相談所および法人事務所
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年末お見舞金を贈るつどい 原爆被害者と手つなぐ運動をこれからも

 「被爆者に年末お見舞金を贈るつどい」が2021年12月5日、平和と労働センターホールで開かれ、全体で32地区から64人(東友会からは21地区37人)が参加しました。原水爆禁止東京協議会(東京原水協)が1年間かけて集めた被爆者支援募金を東京の被爆者へ年末見舞金として贈る取り組みで、今回で57回目となります。

講演は「黒い雨」訴訟の意義と今後の課題 「黒い雨」体験者も原爆被害者

 第1部では、被爆二世でもあり長年被爆者医療に関わっている青木克明医師が、「黒い雨被爆者訴訟勝利で黒い雨体験者が被爆者に」と題して講演。黒い雨降雨地域を巡る研究と、認定を求める運動の歴史を、わかりやすいスライドと資料をもとに詳しく解説しました。
 原爆による被害を国が限定的にしか認めておらず、まだまだ原爆被害を認められていない人がたくさんいること、裁判勝利でやっと一歩進んできたこと、原告と同じ状況にあった13,000人を被爆者として認定するよう導くのが課題であると語り、これからの運動が引き続き必要であることを強調。原爆被害の真実を内外に知らせ、「核兵器なくせ」という被爆者の願いを実現するために、参加者一同で決意を新たにしました。

広い部屋の前方の壁に、幅4メートル以上、高さ2.5メートル以上あると思われるスクリーンが天井から下げられている。スクリーンには何かの円グラフとそれを解説する文が投影されている。講師はスクリーンの脇手前の机に座り、パソコンを操作しながら話している。並べられた机に着席した参加者は、手元の資料にメモするなどしながら講演を聞いている。
国がまだ認めていない原爆被害があることをあらためて学んだ講演

地味であっても継続した活動に

 第2部では、東京原水協が全都各地で取り組んできた被爆者支援募金約50万円が、東京原水協の柴田桂馬代表理事から東友会の家島昌志代表へ贈られました。
 引き続き東京原水協の市川順子事務局次長が原水協の被爆者支援連帯の取り組みの歴史を紹介、継続した被爆者支援の決意を語り、東友会の家島代表がお礼の言葉を返しました。
 参加者からは、「青木先生の講演は質・量ともに内容が濃かった」「黒い雨訴訟の長きにわたる闘いに感銘を受けた」など講演の感想や、「孤独な生活の人が増え、訪問すれば初対面でも被爆者同士、みなさん喜ばれる」「被爆者のみなさんとご一緒でき、連帯の気持ちが強くなった」などお見舞い活動への確信の声が寄せられました。
 つどいの後、東京原水協と東友会の参加者が地区ごとに日程を打ち合わせ。年末へ向け都内各地で地元の原水協と被爆者の会のメンバーが166人の被爆者にお見舞い訪問をおこないます。

会場前方で、東京原水協の柴田桂馬代表理事から手渡しで目録を受け取る東友会の家島昌志代表。原水協側、東友会側にそれぞれもう一人ずつ立っている。
見舞金の目録を受け取る

東都生協からは今回も編み物が

 東都生協から「被爆者のみなさんに暖かい冬を」と、手編みの膝掛けやマフラーなど49点が届きました。東都生協では毎年、平和と核兵器廃絶、被爆者支援の願いを込めて、組合員が毛糸でモチーフを編み、そのモチーフを彩りよく繋いで膝掛けなどをつくっています。
 この取り組みは1988年から33年間続き、これまでに届けられた編み物の総数は1万点以上。毎年の年末訪問のとき、自宅で療養中の被爆者に届けられ、「心温まる編み物をいただき幸せを感じています」など、感謝の声が東友会に寄せられています。

ひとつずつ透明な袋にメッセージの書かれた紙とともに入れられた編み物が、机の上に並べられている。ダンボール箱からひとつひとつ取り出して並べている人たちがいる。
あたたかい編み物がたくさん