被爆者相談所および法人事務所
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被爆者年末お見舞い訪問交流会 経験を出し合って今後の検討も

 2018年末に東京原水協から166人の東京の被爆者に贈られた年末見舞い金を届けた訪問活動。その交流会が2019年2月10日に平和と労働センターで開かれ、被爆者地区の会と東京原水協から41人が参加しました。
 東友会の家島昌志執行理事が半世紀以上つづく東京原水協の支援に感謝をのべた挨拶のあと、東京原水協の橋本博代表理事が、1月半ばまでに各地から届いた20区市131人の「被爆者訪問の記録」を読んで6つの成果に分類して報告。つづいて、橋本さんが紹介した内容を実際に訪問した各地区が報告。「訪問の当日もこれからうかがうと電話をする」「いわさきちひろカレンダーを楽しみに待っている」「48軒に餅をついて届けた」「15人を3班で訪問した」「家を訪ねられるのが困る人の近所の集会場を借りて手渡した」「被爆体験を話してくれるか聞いている」など貴重な経験が交流されました。
 参加者からは、「見舞い品に代えてもいいのではないか」という声もあり、東友会と東京原水協で検討をしていくことになりました。

広いホール、着席した参加者たちが、立ち上がって報告する人の話をメモをとりながら聞いている
各地区から活発な報告が

地区からの訪問報告(訪問日付順)

 1月号に掲載した続きと、その後に報告のあった地区の様子を紹介します。

大田

 2018年12月15日、大田・大友会から1人、大田原水協から3人が参加し、男性1人、女性3人の計4人のお宅を訪問しました。みなさん、年齢的に何かしらの病気があったり、介護を受けている方たちですが、寝たきりという方はなく、97歳とは思えない元気な人もいました。お一人は転倒して入院中でしたが、2週間ほどで退院できるとのことでした。
 みなさん、お見舞い訪問を喜んでくださいました。毎年、大田原水協のみなさんに助けられていることを感謝します。(中川夏代)

病室のベッドの脇に置かれた椅子に座る訪問先の方と、訪問者
入院先をお見舞い(大田)

葛飾

 2018年12月22日、葛友会から4人、葛飾原水協から4人が参加し、2班に分かれて8人の方がたを訪問しました。お一人は施設に入っておられましたが、歩行器を使って自力で出迎え、訪問を喜んでくださいました。他のみなさんは自宅でしたが、足腰や視力・聴力の衰えはあるものの元気なお姿を見ることができました。自身でコーヒーを入れて歓迎してくれる方もおられ、しばしの歓談のひとときをもつことができました。
 ご自身ではなく奥様が介護が必要な状態で、そのため外出できないという方もおられました。(福瀬芳子)

訪問先の玄関、訪問者と訪問先の方
玄関でにっこり(葛飾)

 2018年12月23日、港友会から2人、港原水協から2人が参加し、男性1人、女性4人に年末見舞金を届けました。7月に大腸がんの手術をしたという方は寝たきりになっておられました。今回初めて訪問した方は、最高齢者でもありましたが、週2回は外出着でおしゃれしてデイケアに参加しておられるなど、前向きにがんばっている人もいて、励まされました。みなさん、お見舞いをとても喜んでくださいました。(髙木恭之)

テーブルを前に椅子に座る訪問者と訪問先の方
お見舞いを渡して懇談(港)

足立

 足立区では2018年12月23日、足友会から4人、足立原水協から4人が参加。2班に分かれて6人のお宅を訪問しました。ある広島被爆の人は、長い闘病生活の中でも被爆体験を語ってこられた方ですが、昨年(2017年)ごろから病状が悪化したと奥さんから聞いていました。訪問後、家の中で奥さんから涙ながらの話をお聞きしました。他の方も何かしらの病気や障害を抱えておられ、介護を受けている人たちです。一方、もうすぐ90歳になるという方は、一人暮らしですが杖もつかずに外出されており、お元気そうでした。核兵器廃絶の署名とカンパもいただきました。(藤澤汎子)

訪問前に集まった参加者
打ち合わせて出発(足立)

江東

 2018年12月24日、江東原水協が仕立ててくれた車で、原水協・江友会から各2人、計4人で6人の対象者を訪問し、見舞金を届けました。ある女性は、頼りにしていた長女が急死され、いまは2人の息子さんが交替で面倒を見ておられるとのことでした。
 不自由な身体で何とか生活しておられる方が多く、その日はお会いできましたがデイサービスに通っているという方は、右半身不随のため左手で何とか食事をしていること、家事はご主人がなさっていることなどをうかがいました。(森貞士)

訪問先の今で、お見舞い金を手渡す訪問者と、受け取る訪問先の方
お互いがんばろう(江東)

三鷹

 三友会の2人で2018年12月25日から2019年1月19日にかけて、4人をお見舞いしました。一番若い人が87歳、他は90代です。施設入所の人は年齢の割にお元気そうでした。被爆者の手当は受けていないそうなので、あとで健康管理手当の申請用紙と説明を送りました。
 ケアハウスに行っていてご本人とはお会いできない方がありましたが、息子さんとお話しすることができ、「父に必ず伝えます。お気持ちだけで十分です」と話しておられました。(大岩孝平)

明るく広い部屋でお見舞い金を手渡す訪問者と、受け取る訪問先の方
施設にお見舞い(三鷹)

町田

 2018年12月23日、町友会5人、町田原水協4人、町友会とともに生きる会4人、大学生3人、車の運転手を含め19人が4班(4台)に分かれ、広い市内に住む19人のみなさんをお見舞いしました。事前に訪問の趣旨を説明し、当日も「これから伺います」と連絡を入れてから訪問しました。
 がんの治療中という方が複数おられ、原爆症認定を知らない人には被爆者の制度の説明をしました。若い大学生が一緒に行ったこともあってか、被爆体験を丁寧に語ってくださる方もおられ、実相普及の場にもなったようです。なかには、「このようなお見舞いとプレゼントは今までの人生で初めて。ものすごく嬉しい」と喜ぶ人もいて、訪問したほうが感動する場面もありました。
 ヒバクシャ国際署名にも快く応じてくださる方が多く、目が悪いので代わりに書いてくださいという方もおられました。(神戸美知子)

玄関でお見舞い金を手渡す訪問者と、受け取る訪問先の方
笑顔の交流(町田)