被爆者相談所および法人事務所
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東友会総会 被爆者の実情をふまえた相談活動を強化

核兵器廃絶の運動、60周年事業も

 一般社団法人東友会第70回総会が2018年6月3日、平和と労働センターで開かれ、被爆者の会員とともに被爆者を支えている医師、弁護士などの専門家と、東京原水協の代表をはじめ「おりづるの子」(東京被爆二世の会)など非被爆者の会員をふくめて80人が参加しました。
 大岩孝平代表理事の開会挨拶、総会に寄せられたメッセージを紹介した後、木村一茂会員、吉田みちお会員(被爆二世)を運営委員に、熊田育郎理事と村山季美枝理事を議長に選出し、定足数を確認して議事に入りました。

2017年度の事業報告

 最初に家島昌志執行理事が、1年間の事業内容の重点と内外の被爆者をとりまく情勢を分析した「基調報告案」を提案。「基調報告案」は、国連の核兵器禁止条約の採択と核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞に励まされた「ヒバクシャ国際署名」をすすめる被爆者の運動とともに東友会の相談事業の成果を高く評価しました。
 つづいて、石飛公也理事が会員の活躍する写真46枚と表やグラフを載せたスライドを使用して2017年度の東友会の事業報告を提案。運動の様子とともに東京在住の被爆者数が最高時の50%に減り、平均年齢が81歳を超えたこと、東京都の「健康診断受診票」を持つ被爆二世が被爆者の1.4倍にあたる8000人に迫っていること、東友会相談所への相談が近年、年間1万5000件を超えていること、高齢化がすすみ中央区、目黒区、多摩市の会が休会となったことなどについて報告しました。
 昼食後は、濱住治郎執行理事が2017年度の会計報告を提案。原爆症認定を受けた被爆者などからの高額の寄付金などを受けて、赤字分の補填なく会計の執行ができたこと、被爆証言の海外派遣のために120万円を超える募金が寄せられたことなどを報告しました。
 その後、奥田豊治・内藤雅義(弁護士)監事が、会計と理事の業務執行についての監査報告をおこない、続いてノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団連絡会事務局長の中川重徳弁護士(会員)が、原爆症認定訴訟の成果と動き、3月27日の東京高裁判決を受けて被爆者と原告、弁護団が作成した原爆症認定の「当面の要求」について報告し、これらに関する質疑応答のあと、提案された基調報告、事業報告、決算、監査報告が全会一致で承認されました。

2018年度の事業計画

 7点の重点項目を掲げる2018年度の事業方針については、湊武理事がわかりやすく整理して提案。おもな内容は、東友会結成60周年事業、原爆被害への国家補償、米朝首脳会談を受けた「核兵器なき世界」実現への活動、原発事故被害者との連帯、憲法改定への反対などでした。
 予算案については、濱住執行理事が、2018年度は結成60周年募金とともに3年ぶりに「追悼のつどい」開催のための「追悼事業募金」をよびかけることなどを提案しました。
 提案の後の討議では、地区の会の存続への工夫、60周年事業の収支、被爆二世の会員から地区の会の活動への援助などについて質疑応答と提案が出され、討議の結果、方針案と予算案についても全会一致で承認され向山新理事(医師)の閉会のことばで終了しました。
 今回の総会では、一般社団法人東友会役員の改選はありませんでした。

地区・個人の被爆者が法人を支えて
協議会総会 病気等での引退による役員変更も

 2018年6月3日、平和と労働センターで開かれた一般社団法人東友会第70回総会の前に、東京都原爆被害者協議会第62回総会が開かれました。協議会と法人の総会は、綿平敬三理事(協議会執行理事)・中川夏代会員(協議会理事)の司会で進められました。
 総会には地区の会から登録された92人と地区の会が休会となった区市に住む被爆者から協議会三役会議が推薦した6人の計98人の構成メンバーのうち61人が参加しました。
 黙祷の後、運営委員に東條明子理事、議長に広中弘道理事を選出し、議事がすすめられました。
 協議会総会は、事業報告、事業計画は一般社団法人東友会と同一であり、協議会総会の構成メンバーは全員が法人会員に選出されているため、決算と予算、役員選出が議題となりました。
 決算報告と予算案は、濱住治郎常任理事から、協議会に納入された会費の総額は、法人に寄付し、法人の事業を遂行するために使用されたことが報告され、奥田豊治会計監事が監査報告をおこない、全員の拍手で承認されました。
 つづいて、推薦委員会の奥田豊治委員長が、協議会の会長、副会長、会計監事と常任理事、専門委員会が事前の委員会で選出した委員長、副委員長、東友会が日本被団協に派遣する代表理事と全国理事について提案し、全会一致で承認されました。
 2018年は、常任理事に中川夏代さんが加わり、体調を崩して会計監事を勇退した蒔添安雄氏に代わり広中弘道氏が就任しました。
 名誉会長と顧問については大岩孝平代表が提案。長期闘病中の飯田マリ子氏が名誉会長を辞任し、新しい顧問を佐野博敏氏にお願いすることが承認されました。

 法人と協議会の総会では、「結成60周年を迎える協議会の総会が第62回なのに対し、13年後に設立された法人総会が第70回となっているのはどうしてか」という質問がありました。
 これについては事務局から、「協議会が法人設立の前に会計年度を合わせるために総会を2回開いた年度があったこと、一時期、社団法人は年度終了前に予算を審議する総会を開いて次年度の予算を議決しないと会計の執行が認められなかったため、本来の総会と合わせて年度内に2回の総会を開いたことがあったため」と説明。最近就任した役員から「私も知らなかった」という声がありました。
 東友会は近年、事業報告については集会や行動の様子をスライドで映写していますが、「年寄り向きでわかりやすい」との発言もありました。

「定期総会」の横幕かかかった会場、会場前方に役員らが立ち、参加者も自席で起立している。
最後は「原爆を許すまじ」を合唱。三たび許すまじ原爆を……。