原爆症認定制度の抜本改善へ 国会議員に要請行動
司法判断を行政に反映させる助力を
東友会は、ノーモア・ヒバクシャ訴訟原告団、日本被団協、ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団とともに、東京第1次訴訟の完全勝訴(2018年3月27日に控訴審勝訴判決)を生かした原爆症認定制度の抜本改善を求めて、国会議員への要請を開始し、2018年4月17日までに7党9人と面談しました。
これは、2003年からはじめた原爆症認定集団訴訟の判決から06年に「新しい審査の方針」を実現させたときも、行政が司法判断を無視している実態を立法府に知らせ、国会議員の働きかけで政府・厚生労働省の頑なな態度を打開してきたからです。
この面談には、原告団の綿平敬三さん(東京練馬区)、東友会の大岩孝平代表理事や家島昌志・村田未知子業務執行理事、日本被団協の田中煕巳代表委員や濱住治郎事務局次長など事務局役員、弁護団からは中川重徳・宮原哲朗・安原幸彦弁護士が参加。弁護士が、これまでの原爆症認定訴訟の経過と制度の改定、1月から続く大阪高裁、広島高裁、名古屋高裁と今回の東京高裁判決を生かそうと策定した「一連の高裁判決を踏まえた原爆症認定基準に関する当面の要求」を説明。原告、東友会、日本被団協の参加者が現状を訴え、4月18日の院内集会への参加と厚生労働省が交渉のテーブルに着くよう働きかけてほしいと要請しました。
要請の最初は、4月3日に「新しい審査の方針」策定の中心の一人となった自民党の河村建夫衆院議員の河村健一政策秘書に、4日には自民党の「原爆症認定を早期に実現するための議員懇談会」の中心でもある広島選出の寺田稔衆院議員と平口洋衆院議員に要請。12日には公明党原爆被害者対策委員長の谷合正明参院議員とも面談しました。与党の議員と秘書は、高齢・病弱化した被爆者の現状に深い理解を示すとともに、2018年1月から続く高裁判決を高く評価し、2013(平成25)年12月の審査方針を再検討する時期にきている、との発言がありました。
4日は、東京高裁判決の翌日に衆院厚労委員会で厚生労働大臣に「上告するな」と要請した立憲民主党の初鹿明博衆院議員(東京選出)とも面談。5日に民進党の森本真治参院議員(広島選出)、6日に被爆二世でもある共産党の井上哲士参院議員、11日に社民党の福島みずほ参院議員、13日には希望の党の佐藤公治衆院議員(広島選出)に面談。各党の議員から野党6党のつながりをつくり、6党として厚生労働省に働きかける準備をすすめたいとのお話しがありました。