被爆者相談所および法人事務所
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被爆二世にも胃カメラ検診を 都議会厚生委員会で質問

 2017年3月22日、都議会厚生委員会で被爆二世の健康診断への胃カメラ(内視鏡)による検査についての質疑がありました。質問に立ったのは和泉なおみ都議(葛飾区選出・共産党)。自身も東京都の「健康診断受診票(子)」を持つ被爆二世である立場から、二世の胃がん検診に胃カメラの導入を強く要望しました。
 和泉都議の質問に対して都福祉保健局保健政策部長は、被爆者の胃カメラによる胃がん検診は、2016年11月から都内50カ所の医療機関で実施していること、「被爆者における検診受診体制の整備状況を見ていく必要がある」とだけ回答し、二世については全くふれませんでした。和泉都議は、二世の健診の期間を被爆者と同様に通年にすることと胃カメラ検診の導入を強く求めて質問を終えました。
 この日の厚生委員会は、午後1時に開会しましたが、卸売り市場の豊洲移転問題で長時間の質疑がおこなわれたため、被爆二世に関する質疑は午後9時近くになりました。このため、最初は20人の被爆者と被爆二世が傍聴にかけつけましたが、2人の被爆者が残って和泉都議の質問を傍聴し、その後懇談しました。

【参考】

 被爆者に胃カメラの検診が導入されたのは、国が胃カメラによる検査を自治体の住民検診に導入するようすすめたためです。東友会は被爆者の胃がん検診については被曝しない胃カメラによる検査を、と長年、国と東京都に要望してきました。しかし今回の被爆者健診への導入は、医療放射線の被曝に不安を抱く被爆者に寄り添ったものではありませんでした。
 東京都が都内の50カ所の医療機関しか指定していないのは、「健康な方に対する検診」だからという理由で、条件が高い「胃内視鏡マニュアル2015年版」を使って医療機関を選定しているためです。高齢被爆者が受診しやすいように、柔軟に指定している県もあります。バリウムによるX線検査より倍以上の費用がかかる胃カメラを、費用の問題で二世への導入をためらっている可能性もあります。

和泉なおみ都議と傍聴者たち
傍聴した被爆者と