被爆者相談所および法人事務所
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被爆者に年末お見舞い金を贈るつどい ともに手をとり合う

 東友会と東京原水協が共催する「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」が2016年12月11日、平和と労働センターホールで開かれ、95人が参加しました。
 つどいは2016年で52回、これまで見舞金を受けた被爆者はのべ1万7665人、見舞金の総額は3263万2000円となっています。

記念講演は原爆訴訟と被爆者援護の歴史

 毎年恒例の講演会のテーマは「なぜ原爆訴訟を継続してきたか」。広島市で長年、被爆者の主治医の一人として活躍し、原爆症認定訴訟の医学面で支えてきた齋藤紀医師が講演しました。齋藤医師は、スライドを映写しながら、原爆医療法制定前、被爆者に一切の援助がなかった原爆投下からの12年間、その後、原爆被害にみあった制度を要求し、制度を変えてきた運動を分析。原爆詩人・峠三吉の詩「八月六日」の「あの閃光が忘れえようか」「あの静寂が忘れえようか」を挙げて被爆者の思いを代弁し、最後に、訴訟は2017年が山場になること、被爆者は戦争と核被害を洞察する有資格者であると強調しました。
 会場からは、「原因確率10%の意味は」などの質問もあり、齋藤医師はていねいに回答。参加したノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団の藤原精吾団長、東京弁護団の内藤雅義団長も核兵器廃絶の重要性と原爆裁判が果たしてきた役割について発言しました。

天井からつるされた大型のスクリーンにスライドが投影されている。そのわきでマイクを持って立つ斎藤医師
つどいで講演する斎藤医師
並べられた長机に着席する参加者たち
都内各地から参加した被爆者と東京原水協の人たち

被爆者と支援者の交流を深めて

 見舞金を贈るつどいは、おりづるの子(東京被爆二世の会)副会長の山田みどりさんが、実兄の被爆体験と戦後について著した絵本「ヒロシマの少年 じろうちゃん」の画を上映しながら、朗読。福島原発の事故を契機に爆死した級友たちの姿を証言しはじめた兄の姿が感銘を与えました。
 つづいて、東京原水協の石村和弘事務局長と東友会の家島昌志業務執行理事が、「ヒバクシャ国際署名」をすすめる活動と東京連絡会について報告。そのあと、東京原水協の都丸哲也顧問から東友会の大岩孝平代表理事に35区市に住む234人の被爆者への見舞金が手渡されました。

東京原水協の都丸哲也顧問と東友会の大岩孝平代表理事
お見舞金の贈呈を受ける

生協の組合員からはあたたかい編み物も

 2016年も東都生協組合員から手作りの編み物50枚が届きました。これらの編み物は、見舞金と一緒に、年末にかけて各地の被爆者を訪問して届けられます。

ひとつひとつメッセージとイラストがの書かれた紙と一緒に袋に入れられた編み物
ひざ掛けなど手編みの贈り物