長崎被爆地域拡大協議会が要請行動
爆心地から40キロでも高い放射線 12キロの被爆地域拡大は当然
「長崎被爆地域拡大協議会」の要請団が上京し、2015年12月8日衆議院議員会館会議室で、厚生労働省に要請しました。上京したのは、佐藤郁雄副会長ら6人。厚労省からは山本宏樹被爆者援護室室長補佐ら3人が対応しました。
被爆地拡大問題とは、長崎の被爆者手帳交付地域が楕円形であるため、周囲にいた人を「長崎被爆体験者」とした国の施策の改善を求める運動のこと。年1回の一般健康診断はありますが、がん検診はなく、医療費助成も長崎に住む人の精神疾患に関する病気に限られるという内容になっています。東友会はこれまで、この問題の解決を願って積極的な支援を続けてきました。
要請団は『被爆70年・被爆地域拡大にむけた市民と研究者の第6回意見交換会・報告集』など示して交渉。この『報告集』には、アメリカのマンハッタン調査団が原爆投下56日目におこなった調査と、日本の理研仁科研グループが142日目におこなった調査のいずれもで、長崎の爆心地から30キロから40キロの地点でも高い放射線量が測定されていたことが明記されています。この報告をもとに要請団は、12キロという長崎の被爆地拡大の要求は当然だと追及しましたが、厚労省側は、文書を持ち帰って検討すると回答しただけでした。
この要請には、東友会執行理事でもあるノーモア・ヒバクシャ訴訟の山本英典全国原告団長も参加し、低線量被曝で原爆症と認定された判例などについて発言しました。