東友会の相談活動 被爆者・被爆二世の相談内容20年間の推移
東友会には、近年、毎年度1万数千件から2万件の相談がよせられています。今回は、東友会に寄せられる相談の傾向を、5年刻みで整理した表で紹介します。
東友会相談所 20年間の受付件数
年度(5年ごと) |
1993年度 |
1998年度 |
2003年度 |
2008年度 |
2013年度 |
月平均の相談件数 |
649 |
688 |
1225 |
1224 |
1481 |
1993年を100とした場合の増加割合 |
100.0% |
106.0% |
188.8% |
188.6% |
228.2% |
各年度月平均の相談内容の内訳(件数と割合)
年度 |
援護法関係 |
患者指導 |
福祉諸法 |
施設利用 |
その他 |
被爆二世 |
2013 |
856件 |
107件 |
179件 |
32件 |
63件 |
244件 |
57.8% |
7.2% |
12.1% |
2.2% |
4.3% |
16.5% |
2008 |
790件 |
108件 |
222件 |
38件 |
58件 |
143件 |
64.5% |
8.8% |
18.1% |
3.1% |
4.7% |
11.7% |
2003 |
766件 |
55件 |
59件 |
24件 |
146件 |
175件 |
62.5% |
4.5% |
4.8% |
2.0% |
11.9% |
14.3% |
1998 |
445件 |
74件 |
13件 |
32件 |
124件 |
64.7% |
10.8% |
1.9% |
4.7% |
18.0% |
1993 |
427件 |
83件 |
4件 |
16件 |
119件 |
65.8% |
12.8% |
0.6% |
2.5% |
18.3% |
- 【注】
-
- 2013年度の月平均は4月~12月の平均値
- 1993年度、1998年度の被爆二世の相談件数は「その他」に含む
被爆者・被爆二世の平均年齢
年度 |
被爆者 |
被爆二世 |
2013 |
77.7歳 |
51.0歳 |
2008 |
74.0歳 |
45.9歳 |
2003 |
69.9歳 |
40.1歳 |
1998 |
65.8歳 |
―― |
1993 |
61.1歳 |
―― |
1993年度から2014年度の20年間で、被爆者の平均年齢は61.1歳から16.6歳上がり77.7歳になりました。
20年間で相談件数は2.3倍に。とくに介護保険制度が始まった2000年の前後で件数が倍以上に増えていることが注目されます。
相談内容をみると介護保険など「福祉諸法」に関する相談の増え方が突出して増えています。これは、介護保険のサービス費の多くに被爆者の助成があるためです。被爆者の高齢化がすすむとともに介護保険の利用者が増え、相談件数も増加しています。
「援護法関係」は、被爆者の諸制度の活用に関するものですが、件数が2倍になっています。20年前は健康管理手当の申請や更新が中心でしたが、最近は、介護手当と原爆症認定に関する相談が多く、残念なことに葬祭料の申請が増加しています。
申請書を書けない、電話で説明しても理解できないという事例が増え、記入見本を作ったり、代筆するような事例が増えています。被爆者を介護する家族も高齢化しています。他人介護手当は、毎月介護料と介護日数・時間を計算して申請しますが、この申請をする家族が、毎月のように間違えるので援助が必要な事例が増え、原爆症認定では、申請する病名や必要な書類の添付を、本人も家族も医師に伝えられないため、医師あてに手紙を書くことが増えています。
もうひとつ目を引くのは被爆二世に関する相談です。二世の相談を分類したのは10年前からですが、平均年齢51歳、最高齢者が67歳になった二世から、東京都の医療費助成制度を中心に、相談がつづいています。
東友会のウェブサイトを見て、海外からも被爆者と被爆二世から電子メールで相談が寄せられています。