被爆者相談所および法人事務所
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東友会相談員養成合宿 原爆の非人道性、相談事業の歴史学ぶ

 東友会は2013年9月8、9の両日、「相談員養成合宿研修会」を熱海市で開き、18地区から35人が参加。2日間で4つのテーマの研修・交流をおこないました。
 開会のあいさつで大岩孝平代表理事は、「オリンピックの東京開催が決まった。平和の祭典を開催するにふさわしい国になるよう、ますます力を尽くそう」と述べました。

広い部屋に並べられた机に着席する参加者たち。会場前方には大型スクリーンがさがっている。
合宿研修会に集まったみなさん

認定訴訟の記録映像

 第1テーマはDVD「原爆症認定集団訴訟の記録 おりづる」の鑑賞。2003年から10年間にわたるたたかいを原告や多数の専門家の証言を交えて紹介する映像にみな息をのんで見入りました。

原爆の非人道性とは

 第2テーマは、一般社団法人東友会監事の内藤雅義弁護士が「原爆・核兵器の非人道性と被爆者の役割」と題し講演しました。
 内藤弁護士は、核兵器・原爆被害について科学的な資料や原爆症認定集団訴訟で明らかになった事実を示し、その非人道性をスライドを使ってわかりやすく語りました。「戦争についての国際法」の歴史的経過を紹介し、日本政府は「核兵器使用は国際法違反ではない」とする態度を戦後一貫してとり続けていると話しました。
 被爆の実相を世界に知らせ、核兵器の使用がおぞましいものであると訴え続けることが、核戦争阻止、核兵器廃絶のために重要な力であると訴えました。

内藤弁護士

東友会相談事業の歴史

 翌2日目の第3テーマは、村田未知子相談員が、相談員として関わってきた被爆者の実情を「東友会の被爆者相談事業 ―わたしなりの30年間の被爆者相談事業―」として報告しました。
 村田相談員は、歴代の役員や相談員が苦労しながら「一人ひとりの被爆者を大切に」しながら進めてきた東友会の相談活動を、自分が体験してきた数々のエピソードをまじえて紹介。被爆者が相談員を育て、医療機関や支援団体に理解を求める中で相談事業が深まってきたと語りました。

地区の実践を交流

 第4テーマは「地区相談員の交流――被爆者の訪問活動を中心に――」。被爆者の各戸訪問をしてきた練馬、国分寺、杉並の各地区が資料を用意して発言。被爆者の現状を把握するために工夫をこらして訪問行動をしていることを報告しました。その他の地区からも被爆者の実情をつかみ援助している活動、逆に訪問行動をするうえでの困難な会の現状も話されました。訪問すると多くの被爆者が病床に伏していたり介護を受けていると語りました。山田玲子医療福祉委員会委員長・執行理事が交流のまとめをおこない、「高齢化し、家族の中で孤立している被爆者もいる。そういう人たちの声を聞く相談活動を強めよう」と語りました。
 最後に、家島昌志執行理事が全体のまとめをおこない、「学んだことを咀嚼して地区の会の中へも拡げてほしい」と語りました。