被爆者相談所および法人事務所
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東日本大震災 東北・関東各県の被爆者はいま

安否確認に奔走するも困難極める
消息つかめない被爆者も 追い討ちの風評被害も深刻

 東日本大震災で大きな被害を受けた東北・関東各県の被爆者を気遣う問い合わせが、東友会に数多く寄せられています。2011年4月現在連絡がつく範囲ですが各県の状況をお知らせします。(編集部)

 東北・関東の各県では、自身も被災した役員が多いなかで各地の被団協は、日に何度も起きる余震のなかで瓦礫の山と化した被災地や点在する避難所を訪ねて、被爆者を励ましています。
 宮城県はぎの会は、宮城県の担当者と連携して200人を超える県内被爆者の被害状況の調査や救援活動をつづけています。被災直後からガソリンを手に入れて避難所を回って被爆者をさがし、直接に救援物資を手渡し、ラジオ局に依頼して安否を連絡するよう放送してもらっていますが、いまだに全員の安否確認ができていません。
 福島県被団協は、県内被爆者94人のうち20人くらいが津波に襲われた地域に住んでいました。その後の福島第1原発の事故による避難もかさなって連絡がとれない状況がつづき、会員の消息はほとんどつかめていない状況です。
 津波に襲われた沿岸地区に9人の会員がいる岩手県被団協は、避難者名簿と被爆者名簿を照合するなど役員の精力的な活動のなかで、ようやく3人が避難していることを確認しました。
 茨城県茨被協は、会員の被害者は出ていませんが、農作物などに放射線汚染の風評被害が広がっています。
 千葉県友愛会が相談員を中心に被害状況を調べたところ、塩害で2011年の作付ができない、屋根の補修作業で落下し骨折した、断水が1カ月続き体調を壊した、という報告が寄せられています。

「健康管理手当1カ月分送ります」 東友会よびかけの「救援募金」に反響続々

 3月号「東友」で、「東日本大震災救援募金」をよびかけたところ、2011年4月19日現在で、83人5団体から85万円余が寄せられました。深くお礼を申し上げます。
東友会事務局には、「健康管理手当1カ月分を送ります」「日赤に送れば手数料は無料だと聞いたが、被爆者の仲間に届けたいから東友会に送ります」「何かできないかと考えて、近所によびかけて古着を集めて、整理して、段ボール箱に詰めて、送っています」「区が姉妹都市にしている被災地への救援を、会として手伝っています」「あと20歳若ければ駆けつけるのに、いまではかえって迷惑になるから募金します」「すでにほかで募金をしたので、金額が少なくて申し訳ない」などという声がありました。被爆医師・肥田舜太郎さんを迎えて講演会を開いた「ねりま九条の会」からは、会場で集めた義援金3万円余が、被爆者練馬の会のよびかけで東友会に届きました。
 東友会は4月11日に、そのうちの50万円を第1陣として被災した岩手、宮城、福島、茨城、千葉県の5カ所の被団協に送り、各県被団協からていねいなお礼と現状のお知らせが届いています。
 「大震災救援募金」へのご協力をお願いいたします。

被災地、宮城県の避難所にて。畳が敷かれた体育館のような部屋に、ひざの高さ位の段ボールで仕切りが作られている。座り込んでいる人たち、座って会話している人たち、立って歩いている人たちがいる。畳まれた毛布が積まれている。
避難生活をおくる被爆者たち(宮城県はぎの会提供)