被爆者相談所および法人事務所
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東都生協との交流会3カ所で 原爆症認定集団訴訟の原告が証言

 「被爆者のみなさんに、暖かい冬を過ごしてもらうように、みんなでモチーフを編みましょう」と、東都生協の組合員が編んだモチーフをつないだ膝掛け105枚が、2008年も被爆者地区の会に届きました。交流会がはじまったのは1988年。この21年間に毎年届いた膝掛けの合計数は7500枚超。膝掛けにつなぎ合わされたモチーフは21万枚をこえています。
 編み物を贈る「交流会」が2008年11月17日から21日にかけて都内3カ所で開かれ、参加した組合員と被爆者120人が、平和への思いを語り合いました。

多摩全域 子どもとともに平和を学ぶ

 11月17日には、多摩地区の交流会が国分寺Lホールで開かれ、47人が参加しました。東友会の村田未知子事務局主任がスライドを使って結成50周年を迎えた東友会の活動を紹介。原爆症認定集団訴訟の原告・西本治子さん(三鷹市)が、燃え落ちる長崎を見た衝撃と、戦後も甲状腺機能低下症で苦しんでいることを証言しました。
 東都生協の田中麗子さんが「平和のつどい」の報告をした後、3グループに分けた交流では、組合員の「原爆展に子どもと行って、戦争被害をつなげていく、伝えていくことの重要性を痛感した」などの発言が被爆者を励ましていました。

並べられた机に着席し話を聞く参加者たち。
「被爆者の証言は、聞くたびに平和への思いを新たにさせてくれます」「子どもたちの未来のためにも平和を守りたい」―心ひとつに。

23区中南部・西部 被爆者と人生を重ね合わせて

 11月20日に東都生協さんぼんすぎセンターで開かれた23区中南部と西部地区の交流会には、38人が参加しました。東友会50年のスライド上映のあと、港区の田﨑アイ子さんが広島の天満橋、1.5キロで被爆した体験と被爆によって両親を失った姉弟妹たちとの厳しい戦後の生活を克明に証言。東都生協組合員の井上秀子さんが松代大本営の地下壕跡地を見学して、「高校生から説明を聞いて、学ぶこと伝えることの大切さを感じた。私も自分の体験もふくめて戦争について語り伝えていきたい」と発言。交流会では、「自分の人生を重ねながら見て、東友会50年の活動に感動した」などの感想が寄せられました。

編み物が手渡される場面。生協組合員と被爆者が向き合って立って並んでいる。生協組合員は袋に入れられた編み物を持っている。
「寒い冬を少しでも暖かくお過ごしください」と、生協のみなさんから膝掛けが贈られました。何よりそのおこころがあたたかです。

23区東部・北部 戦争の事実を知らせたい

 11月21日には文京シビックセンターで23区東部・北部地区の交流会が開かれ、35人が参加しました。東友会50年のスライド上映についづいて、江戸川区の畑谷由江さんが、広島で仲良しだった友人を見殺しにして逃げた体験と戦後の病状を証言。東都生協組合員で被爆者でもある柿本信彦さん徳子さん夫妻が沖縄の戦跡巡りツアーに参加した感想をのべました。
 グループ交流では、「東京空襲の展示パネルを見て被害の実態を知った。戦争ゲームに耽る青年たちに、被害の現実を教えなければと感じている」「核戦争をけっして繰り返させないために、人間はもっと賢くならなくてはと思う」などの発言が続きました。

並べられた机に着席し話を聞く参加者たち。
「戦争をするから原爆被害も空襲被害も起こる。人間はもっと賢くならなくては」と、みんなで語り合った交流会。