東友会医療講演会 大好評だった肥田医師の講演
東友会は2008年3月4日、被爆医師として著名な肥田舜太郎医師を招いて、2007年度第2回医療講演会を開きました。講演テーマは「人間が『最期』を迎えるにあたっての心得」。
「被爆者でも放射線量とか数字を並べて話す人がいるが、人類の未来のために、被爆者しか語れない『人間の体験』を伝え残すことが生き残った被爆者の使命。被爆者としての人生をまっとうすることが大事」「毎日、何らかの生きがい、人の役に立つことをして生きる」ことが「最期を迎える心得」などと、63年間被爆者を診てきた医師としての経験から語りました。
講演会には東京の被爆者のほか、支援者や被爆二世、近県の被爆者も含めて160人が参加。90歳を超えてなお1時間以上の講演を堂々と続ける肥田医師の姿に励まされて、「生活習慣病の予防は」「長生きの秘訣は」などの率直な質問が数多く出されました。
先生は「食事に気をつけようとしても結局は長続きしない。要はたくさん食べないこと」「死ぬときに、苦しまないためには、なるべく長生きすること。年をとればとるほど楽に死ねる」などと、一つひとつの質問にていねいに答えました。
参加者からの感想には「最良の死に方をめざしたい」「親しい人の死が続きうつ状態だったが、元気をもらえた」「『一生勉強』&『一生青春』をモットーに被爆者としてがんばりたい」と、感謝と決意が多く寄せられ、大変好評でした。
中央相談所の講習会も
3月4日の東友会医療講演会のあと5日午前中まで、日本被団協中央相談所講習会が開かれました。
4日は中央相談所の伊藤直子相談員が被爆者の諸制度について、5日は日本被団協の田中煕巳事務局長が原爆症認定制度をめぐる厚労省との協議などについて報告。関東甲信越ブロック1都9県の代表から各地の相談事業が報告されました。