東友会医療講演会 「健康診断・ガン検診」をテーマに
毎年好評な東友会医療講演会は、「被爆者健康診断・ガン検診でみえるもの」のテーマで2004年10月3日に府中市中央文化センターで開かれました。これは、東京都から業務委託を受けて東友会が毎年開催しているもの。「評判の高い児嶋医師の話を聞きたい」と、あいにくの悪天候をついて66人が参加しました。
原爆裁判を支援している「東京おりづるネット」会長であり、東京反核医師の会でも活動している児嶋徹医師は最初に、核戦争の生き証人である被爆者の健康を守ることに医療にたずさわる者としての使命と感じていること、北京で開かれたノーベル平和賞を受けたIPPNW(国際反核医師の会)で被爆者の実態を訴えたことなどについて話し、現在の被爆者健康診断やガン検診の内容について講演しました。
児嶋医師は、被爆者は放射線の影響を受けているだけでなく、近年ガンが多発しているので健康診断やガン検診を重視して、自覚症状がなくても必ず受けてほしいことを強調しました。
さらに、もっとも精密で負担の少ない検査をおこなうべきである被爆者に対して実施されている被爆者健診やガン検診が、現在の医学の水準から見てきわめて低レベルであるだけでなく、負担の大きい検査であることを医師の立場から批判しました。
参加した被爆者から、「健診項目が30年以上も充実されていないと聞いて驚いた。何とかしてほしい」「疑問を『言語に』という先生のお話に勇気づけられた」「私も平和のために発言します」「弱者の立場で、わかりやすいお話。ほんとうに心強く励まされました」という感想が多数寄せられました。