住民基本台帳ネット中止を要請 被爆者差別を生むおそれ
総務省が2002年8月5日実施をめざしている「住民基本台帳ネットワーク」(略称 住基ネット)について、日本被団協は15日の代表理事会で、「被爆者にかかわるデータの打ち込み作業は中止せよ。打ち込んだデータは抹消せよ」と大臣宛に要請することを決めました。
この「住基ネット」は、国民すべてに11桁の背番号を付け、住所、氏名、年齢、性別、転居歴など住民基本台帳のすべてのデータをコンピュータに入れ、3300の自治体がいつでも利用できるようにするものです。
「住基ネット」は、1999(平成11)年8月の住民基本台帳法の「改正」によるもので、改正当時は93の事務に限定されていましたが、いま264事務に拡大されようとしています。
この中には、被爆者の医療特別手当、健康管理手当、保健手当、介護手当、葬祭料受取人などのデータも打ち込まれます。コンピュータの情報漏れ事故は枚挙にいとまがないほどであり、いまでさえ多くの差別を受けている被爆者が、もっとひどい差別を受ける恐れもあります。