原爆症認定医療分科会 被団協意見を黙殺
「原因確率」にこだわる国
2001年11月19日、厚生労働省の第10回被爆者医療分科会が、同省省議室で開かれ、公開された「原爆症認定に関する審査の方針」についての討議を、東友会の飯田マリ子副会長など三人が傍聴しました。
討議は、日本被団協の「認定基準検討会」の主張を意識したもの。草間朋子委員(大分県立看護科学大学学長)は、審査基準とした「原因確率」が、放射線影響研究所の被爆者の疫学的調査の情報から、起因性の程度をはかるために妥当であり、被爆地に入ったアメリカ軍人への補償の基準にもされていると報告。兒玉和紀委員(広島大学医学部教授)が、放射線が生物に与える影響の違いを考慮した「臓器等価線量」や被爆者の年齢、身体の向きなどを考慮した「臓器吸収線量」ではなく、「遮蔽カーマ」(建物や地形による遮蔽を考慮したもの)を使っていることについて、「原因確率」と同じ尺度なので妥当だと説明しました。
質疑の後、佐々木康人分科会会長が、起因性を判断する上で「原因確率」を使うことに支障がないこと、問題が出た時点で検討するとしながらも、今後も基準にすることを確認しました。