厚生労働省在外被爆者検討会 在外被爆者救済で論戦
2001年11月8日、在外被爆者問題に関する第4回検討会が厚生労働省会議室でおこなわれました。この日は、これまで広島・長崎市長や大学教授、韓国・アメリカ・ブラジルに住む被爆者たちが発言した意見を参考にして、委員が自由に意見を述べる会でした。
都立大の兼子仁教授は、「原爆医療法には国家補償的配慮が根底にあるとした、昭和53年の孫振斗裁判での最高裁判決より後退するような考えはとるべきではない。被爆者への補償は人身損失補償と考えて在外であっても平等に救済されるべきだ」と述べました。
東大の小寺彰教授は、「国家補償的性格を強調するより、人道主義的見地から対処するのが筋だ」と発言。
上智大の堀勝洋教授は、「一般財源でおこなわれる社会保障は、日本国内に住むものに限られる、在外への給付には合理的な理由が必要」と述べました。
長崎大の土山秀夫名誉教授は、「この検討会は、国内外を問わず被爆者には平等に措置しようということでつくられたはず。個人給付ができないか」と発言。
読売新聞の岸洋人解説部長も「被爆者はどこにいても被爆者という考えで救済できないか」とのべました。
在外被爆者問題に関する検討会は次回が最終回で、12月10日午後一時半から、会場は厚生労働省内です。