被爆証言学習会で経験交流 事実と資料で実相見えるように
東友会の「証言学習会――核兵器廃絶へのエネルギーを燃やすために」が2001年10月17日、文京区春日のシビックセンターでひらかれ、29人の被爆者が参加しました。
東友会役員で構成している実相普及委員会がひらいたもの。これまで何十年も証言活動をしている被爆者から、被爆当時は幼児で当時の記憶はほとんどないという若手被爆者までが参加して、熱心な交流の場が持たれました。
問題提起は、長崎の爆心地から1キロで被爆し、年何十回と証言している米田チヨノさん(大田区)と、2001年の夏に初めて海外で証言した戸瀬英男さん(八王子市)の二人。米田さんは「被爆体験は被爆者の数だけある。みんな証言してほしい。私は、話を聞いてくださる方がたに支えられている」と発言。戸瀬さんは「海外で証言するために家族の被爆状況を調べた。祖母や父母の悲惨な体験を知るなかで、核兵器廃絶への思いが実感として強まった」と話しました。
問題提起につづいての討論では、参加者がこれまで証言してきたなかで感じたこと、工夫したこと、失敗したことなどが次々に出され、 実り多い学習会となりました。発言からいくつか紹介します。
- 「被爆距離や場所などを具体的に、相手にわかるように話すことが大切」
- 「当時の地図や原爆瓦、被爆者手帳など具体物を用意している」
- 「被爆者として、今何を考えているのかを訴える」
- 「短時間で証言してほしいと言われ困った」
- 「事実に基づく話を」「記憶が薄れるので資料を作っている」
- 「話を組み立てたらテープに録って聞くなどして再度見直して整理をしよう」