原爆症認定 東友会扱いの5人「認定」
2000年3月以降、2001年3月20日までに、東友会を通じて12人の東京の被爆者が、国に「原爆症認定」を申請していました。2001年3月2日、そのうちの5人に、東京都をつうじて通知が届き、全員が「原爆症」と認定されました。これは2月21日に厚生労働省で開かれた審査会が大臣に答申したものです。
今回通知された1人、町田市の飯田豊さん(享年80歳)は、広島市基町、0.7キロという至近距離で被爆し、胃ガンで申請しました。しかし、通知までには1年。死後10カ月が過ぎていました。いまだに回答がきていないのは7人ですが、このなかには今回通知された人と同じ時期、2000年4月から7月に申請を出した人が4人もいました。
3月2日付け読売新聞広島版には、広島市に通知された申請者のうちすでに6人が死亡し、うち4人は認定されたと報道されています。広島県被団協相談所の調査によると、この4人は全員がガンで申請を出していたことがわかりました。
東友会の村田未知子相談員は、「2000年夏に対応した人は、ガンが全身に転移し、末期症状を表す『ガン性悪液質、るいそう』と診断書に記入されていました。間に合うかと心配でした。審査するのは医師などの専門家。急がなければとわかるはずなのに」と話しています。
さらに、東友会が日本被団協中央相談所の協力で申請した「異議申し立て」のうちの1件は、1996年4月に出した申請が5年近く停滞したまま。申請者はすでに80歳代半ばを過ぎています。
東友会が対応した原爆症認定申請
2001年3月2日に通知された申請
申請日 | 病名 | 被爆地・距離 |
2000年3月14日 | 胃ガン | 広島0.7キロ直爆 |
2000年6月10日 | 胃ガン | 長崎1.8キロ直爆 |
2000年6月20日 | 悪性リンパ腫 | 広島1.3キロ直爆 |
2000年6月26日 | 肺ガン | 広島0.9キロ直爆 |
2000年7月31日 | 腎臓ガン転移 | 長崎1.0キロ直爆 |
2001年3月20日現在、通知が届いていない申請
申請日 | 病名 | 被爆地・距離 |
2000年4月26日 | 胃ガン | 広島1.8キロ直爆 |
2000年6月20日 | 大腸ガン | 広島1.7キロ直爆 |
2000年7月18日 | 大腸ガン | 長崎2.5キロ直爆 |
2000年7月29日 | 膀胱ガン | 広島1.8キロ直爆 |
2000年8月31日 | 膀胱ガン | 長崎1.6キロ直爆 |
2000年9月22日 | 大腸ガン | 広島1.7キロ直爆 |
2000年11月27日 | 肺ガン | 長崎1.5キロ直爆 |