ノーモア・ヒバクシャ東京2次訴訟控訴審 完全勝訴の判決
東京訴訟は全員勝利 認定制度の抜本改善いますぐに
2018年12月14日、6年間続いてきたノーモア・ヒバクシャ東京訴訟は「完全勝利」を勝ち取ることができました。
東京訴訟の原告は32人。これまで地裁の勝訴判決と改定された基準により31人が原爆症と認定され、国が控訴した山本英典さんの審理が東京高裁ですすめられてきました。
この日、東京高裁(垣内正裁判長)は、原告や傍聴する被爆者に視線を向け、「本件控訴を棄却する」と明言。長崎の爆心地から4.2キロで被爆し、後に500メートルまで立ち入った原告の狭心症について、放射線との「高度の蓋然性を認められる」との判決要旨の全文を読み上げました。
原告・山本さんは、うっ血性心不全で救急搬送された病院から退院して3日目とあって車イスで入廷。判決後も、裁判所前にかけつけた60人の支援者に、車イスに座って感謝を述べました。
原告・山本さんが勝利の感慨こめ挨拶
その後、参加者と弁護団は衆議院議員会館に移動。報告集会をおこないました。
黙祷から開会した報告集会では、東友会の大岩孝平代表理事が弁護団、医師団、支援者に感謝を述べ、万歳を三唱。日本被団協の木戸季市事務局長が、6日後に厚生労働大臣協議が開かれること、今回の判決が、制度の改善を強く後押しすると語りました。
山本さんは、「胃がんと大腸がんが原爆症と認められたのに狭心症は認めないという国の基準を広げるために、勝利できてほんとうによかった」と挨拶。その後、支援にかけつけた東京原水協の柴田桂馬代表理事が挨拶。東京うたごえ協議会の大熊啓さんがギターを奏でながら峠三吉さんの「人間を返せ」を深く静かに歌い上げました。
東友会の山田玲子執行理事が、「『当面の要求』を受け入れ、制度の抜本的な改善を行うことを求める」との厚生労働大臣に宛てた「声明」を紹介。弁護団からは判決などの説明とともに03年5月の集団訴訟の提訴から15年間原告であり続けた山本さんへの思いがそれぞれ述べられ、参加者に感動を与えていました。
上告期限は12月28日。この日までに国が上告しなければ、2003年から114人の原告がたたかってきた東京での原爆症認定訴訟が終結することになります。