被爆者相談所および法人事務所
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東京都との懇談会 被爆者と二世の現状から都に要望

相談事業の水準を維持できる支援を 被爆二世の制度周知や健診の通年化

 2015年7月13日、毎年恒例の東京都福祉保健局と東友会との懇談会が都庁で開かれました。今回で24回目の懇談会には、東京都から笹井敬子保健政策部長、渡瀬博敏疾病対策課長と被爆者援護法係の職員など8人、都内29区市の被爆者46人と被爆二世など50人が参加し、なごやかに進みました。
 最初は都側の参加者の紹介とともに、都の丸山泰彦被爆者援護係長が被爆者の諸手当額の変更などについて説明しました。
 つづいて東友会も参加者全員を紹介した後、大岩孝平代表理事がスライドを使って広島の被爆体験を証言。被害の凄惨さとともに、原爆が投下された日、体の具合が悪く作業を休んだことが生死を分け、爆死した同級生の親に会うことの辛さなど心の被害についても証言しました。
 東友会からの要望の最初は村田未知子主任相談員。相談事例を紹介しながら、胃がん検診は内視鏡を使えるように、子宮がんと乳がんについては受診できる施設の増加を要望。甲状腺機能検査の追加や高齢化にともなった医療特別手当、介護手当などの更新手続きの簡素化と都と東友会の協力態勢をいっそう深めてほしいと訴えました。
 被爆二世の制度については「おりづるの子」(東京被爆二世の会)の田﨑豊子会長が、二世会員の実状を訴えながら健康診断を常時受けられるように、都独自のがん検診や医療費助成制度を、もっと広く知らせてほしいと要望。
 家島昌志執行理事が、東京オリンピック開催に合わせた平和祈念館の設置と東京都の平和事業の窓口の一本化、被爆者の証言の保管と活用、国の被爆70年慰霊事業費の助成の活用などについて、濱住治郎執行理事が、東友会の相談事業と追悼事業を支える東京都の委託事業費の実態に見合った支給、とりわけ現状の相談事業の水準が維持できるよう都の支援を依頼しました。
 参加者からは、二世の医療費助成、保健所などへの教育、東京都と東友会との連携について要望が出されました。
 渡瀬課長は、要望の一つひとつに丁寧に回答。健康診断の充実や被爆二世対策について都としても政府に要請してきていることを紹介、東友会との協力態勢は可能な限り強めたいと話しました。
 懇談会の最後に、東友会の山田玲子執行理事は、渡瀬課長の丁寧な回答を感謝し「取り残された被爆者がいないようにすることに力を注いでいる。この懇談会は私たちの誇り」とあいさつ。笹井部長は「代表の体験の証言を心にしみる思いでうかがった。東友会と手を携えながら都の事業を実施していきたい」とにこやかに話しました。

広い部屋に机が並べられた懇談の会場全景。席は参加者で埋められている
東京都と東友会の懇談
立って発言する被爆者
各地区の代表も発言
笹井敬子部長
渡瀬博敏課長