「装具」費用の払い戻し 2段階の払い戻し手続きに注意
「装具」とは、病気などで障害を負った身体の機能を補助して負担を軽減するための器具です。コルセットのような比較的簡単なものから、金属の支柱を使った下肢装具、義手・義足などがあります。
原則的には、医師が処方し、医療保険(健康保険)が使える範囲内の「装具」の費用は、「被爆者の制度」の助成対象になります。
ただし、「装具」の費用はいったん全額支払ったあと、医療保険からの払い戻しを受けるのが普通です。これは、被爆者ではない一般の人でも同じです。一般の人は、医療保険の保険負担分(7割から9割)の払い戻しだけですが、被爆者の場合は、そのあとで自己負担分(3割から1割)を「被爆者の制度」によって払い戻してもらえます。つまり、「保険者への申請」のあとに「東京都への申請」をする、
2段階の払い戻し手続きが必要になります。
- 装具の費用(総額)
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医療保険の保険者に申請して払い戻される部分
(保険による負担分) -
東京都に申請して払い戻される部分
(自己負担分)
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医療保険の保険者に申請して払い戻される部分
一般的には、払い戻しを受けられるのは保険による負担分だけですが、被爆者および東京都の医療費助成を受けている被爆二世は、自己負担分にも助成があるので、払い戻しを受けられます。
被爆者の場合
2段階の手続きには順序があります。
- 医療保険の保険者に払い戻し申請
- 保険者から払い戻しの金額が振り込まれた後、東京都に自己負担分の払い戻しを申請
医療保険の保険者に払い戻し申請
最初に、医療保険の保険者に払い戻し申請をします。
保険者とは、保険証を発行しているところのことで、後期高齢者医療保険や国民健康保険なら区市町村、健康保険なら協会けんぽや健康保険組合などです。
この書類の形式は提出先の保険者によって異なりますが、その際、次の2つの書類を付ける必要があります。
【重要】 2つの書類はコピーを必ずとっておいてください。次の「自己負担分の払い戻し」申請にも必要だからです。
- 「装具」を必要とする医師の意見書(診断書)
- 支払った費用の領収証
この申請を出すと、医療保険の自己負担分を除いた保険負担分(費用の7割から9割)が、2カ月から3カ月後に指定した口座に振り込まれます。
東京都に自己負担分の払い戻し申請
保険者から払い戻しの金額が振り込まれた後、次の書類をそろえて、自己負担分の払い戻しを東京都に申請します。
- 東京都に出す書類
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- 一般疾病医療費支給申請書(被爆者用)
- 「装具」を必要とする医師の意見書(診断書)のコピー
- 支払った費用の領収証のコピー
- 保険者が発行した「療養費支給決定通知書」の原本(コピーは無効。保険者からの振り込みに合わせて発行されるものです)
申請後2カ月から3カ月で、自己負担分の金額が東京都から指定の口座に振り込まれます。
被爆二世の場合
都内在住の被爆二世で、東京都の医療費助成を受けている(医療券を持っている)人が、その病名に関連して医師の指示によって「装具」を作成した場合、医療保険が使える範囲の「装具」費用の自己負担分の払い戻しを受けることができます。
手続きの基本的な流れは被爆者と同じです。まず保険負担分の申請を保険者におこない、つづいて自己負担分の申請を東京都に出します。必要書類と保険者への申請については、前項「被爆者の場合」を参照ください。
- 東京都に出す書類
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- 医療費支給申請書 兼 口座振替依頼書(医療費助成を受けている被爆二世用)
- 「装具」を必要とする医師の意見書(診断書)のコピー
- 支払った費用の領収証のコピー
- 保険者が発行した「療養費支給決定通知書」の原本(コピーは無効。保険者からの振り込みに合わせて発行されるものです)
申請後2カ月から3カ月で、自己負担分の金額が東京都から指定の口座に振り込まれます。
医療保険の保険者への申請書類等は、「装具」ができたときに渡されますが、その他の不明な点はそれぞれの保険者にお問い合わせください。
東京都への申請書類は東友会にあります。不明な点があれば、お気軽にご相談ください。