被爆者相談所および法人事務所
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マイナンバーカードと被爆者手帳 現状ではいますぐの一本化はなし

 「マイナンバーカードが健康保険証として使われることになるが、被爆者健康手帳の情報はどうなるのか」という問い合わせが、しばしば寄せられています。この件に関して、現在わかっていることを説明します。

現状はどうなっている

 マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせる仕組みの普及がすすめられています。これは、既存の健康保険証を完全にマイナンバーカードに置き換え一本化するという政府の方針にもとづくものです。健康保険証と同様に、障害者手帳の機能をマイナンバーカードに持たせる仕組みも始められています。
 被爆者健康手帳の情報をマイナンバーカードに持たせるかどうかはまだ法律で定められていませんが、東京都福祉保健局によると、被爆者健康手帳の機能も将来的にはマイナンバーカードに持たせることになるだろうとのことでした。
 すでに、病院やクリニック、調剤薬局などの窓口には、マイナンバーカードの読み取り機器が設置されています。機器の設置された医療機関では、窓口で健康保険証を提示して人の作業で確認する代わり、読み取り機器にマイナンバーカードを通すだけで健康保険の情報が確認できるようになります。

注意しておくこと

 ニュースでもよく取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょうが、現在のマイナンバーカードをめぐっては、交付ミスや他人の情報が誤って書き込まれるなど、様ざまなトラブルが多発しています。そのため、現状では利便性よりも個人情報の安全性にかかわるリスクのほうが大きいという指摘もあります。
  マイナンバーカードの申請には基本的に顔写真が必要であり、交付に際しては「本人が受け取る」必要があります。介護を受けている高齢者などは、申請や受け取りが困難な場合があります。
 また、マイナンバーカードの運用には、スマートフォンとの接続や専用機器の操作が必要になることがあり、本人操作が基本になります。こうした機器の操作が不得手な高齢者にとっては、マイナンバーカードを利用したほうが便利、という場面は限られるかもしれません。
 すでに決定された政府の方針なので、マイナンバーカードの普及はこの先も進みますが、何事にも長所と短所はありますから、マイナンバーカードは万能という期待を持ち過ぎないようにしてください。

マイナンバーカードとは

 マイナンバーカード(個人番号カード・マイナカード)は、日本政府が導入した個人番号制度(マイナンバー制度)の一環として発行されるカードです。
 個人番号制度は、国民一人ひとりに固有の12桁の個人番号(マイナンバー)を割り当て、行政手続きや個人情報の管理を効率化することを目的に導入されました。
 この個人番号を軸に、氏名、生年月日などの個人の基礎情報を電子データとして記録したのがマイナンバーカードで、国家による国民一人ひとりの身分証明書のような性質を持っています。
 マイナンバーカードには、個人に関する情報を追加する(紐付ける)ことができるので、健康保険証や障害者手帳などの情報を持たせる(紐付ける)ことで、マイナンバーカード1枚で様ざまな制度を利用できるようになります。