千葉地裁判決に対する国・厚生労働省の控訴に強く抗議する
- われわれは、国・厚生労働省が千葉地裁判決に対する控訴を断念し、原爆症認定集団訴訟の早期全面解決をすることを求めてきた。しかし国・厚生労働省は、河村建夫官房長官の「裁判を含めて問題を長引かせたくないという被爆者の思いを受け止めないといけない」、「裁判の問題は一挙に解決すべきときに来ているのではないか。私の気持としては。決着をはかっていきたい」との発言にもかかわらず、札幌地裁判決に引き続き、判決からわずか3日目の17日夕刻に控訴した。われわれは、国・厚生労働省の控訴に強く抗議する。
われわれは、今後も、東京高裁をはじめ15地裁8高裁での原爆症認定集団訴訟の全面勝訴を目指し、総力をあげてたたかうものである。 - 国・厚生労働省は、千葉地裁で敗訴した肝機能障害については、大阪高裁で確定し、札幌地裁でも敗訴した甲状腺機能低下症とあわせて、「10月から原子爆弾被爆者医療分科会において、専門家に取扱いを議論していただく」としている。
しかし、いまさら「専門家」を隠れ蓑に使うのではなく、ただちにこれらの疾病を「積極認定」に入れるべきである。 - 厚生労働省は原告164人をふくめ、1159人を今日までに認定したとしているが、医療分科会での総合審査の実態を見ると、審査は遅々として進まず、原告についても、悪性腫瘍を除くとわずか5人しか認定されていない。加えて厚生労働省のいうところによっても6000人以上の申請者が滞留しており、被爆者にとって迅速な審査は一刻の猶予も許されない。
- 国・厚生労働省は12連敗を重ねており、仙台高裁、大阪高裁での全面敗訴を見ても、高裁での勝ち目はない。集団訴訟の原告だけでもすでに59人が死亡しており、いたずらに原爆症認定集団訴訟を引き伸ばすのでなく、全ての控訴を取り下げたうえで、高齢で病弱な原告に対して、早期に一括解決のために、麻生総理が直ちに決断することを求めるものである。
2008年(平成20年)10月17日
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会議