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原爆症認定集団訴訟 札幌地裁判決 厚生労働省健康局のコメント

原爆症調定に関する札幌地裁判決について

平成20年10月3日 厚生労働省健康局

  1.  原爆症の認定について、本年9月22日に札幌地裁の判決があったことから、関係省庁とも協議しつつ、検討を行ってきました。判決は、原告7件中3件について訴えの利益がないとし原告の訴えを却下、4件について原告の主張を認めて却下処分を取り消しました。
  2.  今回の判決の内容を精査した結果、国敗訴となった4件については、
    • 放射線と関連するとの知見が確立していない高血圧症について、放射線起因性を認めていること
    • 一部の疾病について他の地裁と判断が分かれたこと
    • 最新の科学的知見に反するものがあること
    などの問題があることから、高裁の判断を仰ぐことが適当であると判断し控訴いたしました。
  3.  なお、今回の判決にあった肝機能障害と甲状腺機能低下症については、前者につき与党PTの提言が、また、後者につき大阪高裁判決があったことから、10月から原子爆弾被爆者医療分科会において、専門家に取扱いを議論していただくこととしました。
     原爆症の審査方針に関しては、本年3月に「新しい審査の方針」を策定し、4月よりこれに基づく認定作業が進んでいるところです。現在までで、原告164件を含む1021件が認定となっており、昨年までの約8倍の認定件数となっています。
     今後とも迅速な審査に努めてまいります。