原爆症認定集団訴訟 札幌地裁判決についての声明
2008年(平成20年)9月22日
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
本日、札幌地方裁判所は、北海道在住の被爆者7名にかかる原爆症認定集団訴訟に関して、未認定原告4名に対する厚生労働大臣の却下処分を取り消し、原爆症と認める勝訴判決を言い渡した。
すでに、全国の7地方裁判所において、ほとんどの原告を原爆症と認める判決が繰り返され、仙台、大阪では、被爆者全員を原爆症と認める高等裁判所の判決が確定している。
本日の札幌地方裁判所における判決も、「放射線起因性の判断基準として用いられていた審査の方針には」「放射性降下物や誘導放射能による被曝線量が過小評価されている可能性があること、内部被曝の影響についての検討が十分とはいえないこと」と指摘した。
また、判決は「新しい審査の方針」でいわゆる積極認定の対象となっていない肝機能障害であるHBV感染による肝硬変及びHCV感染による肝炎、慢性甲状腺炎(橋本病)、高血圧症について、放射線起因性を認めた。これは、本年4月から運用されている「新しい審査の方針」の抜本的な見直しを迫るものである。
被爆後63年を経て、被爆者の高齢化は進み、全国では勝訴原告を含む56名が提訴後に死亡している。原告・被爆者に残された時間は長くはない。
国及び厚生労働大臣は、控訴を断念し、直ちにこれまでの誤った被爆者行政を改め、「新しい審査の方針」を抜本的に見直すとともに、現在、各地で行われている原爆症認定集団訴訟を直ちに全面的に解決すべきである。そして、被爆者の悲願である核兵器廃絶と国家補償の実現をはかるべきである。
以上