原爆症認定集団訴訟 東京訴訟の「訴状」
訴状は、この裁判は「被爆者援護法に基づいて申請した原爆症認定申請を厚生労働大臣が却下したことにたいし、この取り消しと損害賠償をもとめる」
ものだとし、最初に被爆者の願いを述べています。
「原爆症認定制度のみが、被爆者の被害が原爆に起因することを国が公式に認める唯一の制度」
であること、だからこそ被爆者が立ち上がったことについて、訴状は以下のように述べています。
「自らが原爆症認定されることにより家族が差別されるかも知れないにもかかわらず自らの身体をもって、さらには被爆体験を語ること自体が多大な苦痛を伴うにもかかわらず、自らの体験を語ることによって、原爆が如何に残酷なものかを明らかにしようとしている。
そして、わが国が戦争による原爆被害を受けた唯一の国であることや原爆被害の実状が忘れ去られようとしている今日において、自分の苦しみを国に認めさせることにより、日本政府の被爆者政策、そして更には日本政府の核兵器についての政策を転換させ、世界の核兵器の廃絶につなげたいという思いが、原告ら被爆者のこの原爆症認定訴訟に立ち上がらせた理由なのである。
このことは、原爆の際、自分達の代わりになったかもしれないで死んでいった人々に報いることであり、戦後の自ら受けた苦しみを国に認めさせることにより、自分たちと同じ苦しみを世界中の誰にも再び味わわせることのないように願って、核兵器のない世界をつくる礎となろうとする強い意志に基づくものなのである。」
さらに訴状は、被爆者援護法の目的を援護法の前文からひいたうえで原爆被害の特質と起因性の認定に当たって考慮すべき事情を列記、原爆被害を徹底して解明して、認定制度の概要とその問題点について述べています。その上で、あるべき認定審査について、これまでの「原爆裁判」の判決なども引用しながら提起してます。
原爆症認定集団訴訟をすすめるため、「訴状」パンフレットは支援募金を含めて1冊300円で頒布していました。お問合せは東友会まで。