広島地裁判決に対する国・厚生労働省の控訴に強く抗議する
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原爆症認定訴訟(広島二陣訴訟)について去る3月18日に広島地方裁判所(野々上友之裁判長)が言い渡した原告勝訴判決に対し、本日、国・厚生労働省は不当にも控訴した。
われわれは、国・厚生労働省が広島地裁判決に対する控訴を断念し、原爆症認定集団訴訟の早期全面解決を求めてきた。その声を無視して、国・厚生労働省はわずか6日後に控訴したのである。 - 厚生労働省は既に15連敗を重ねている。「新しい審査の方針」の積極認定対象外の疾病を原爆症と認める司法判断も定着しており、厚生労働省が述べるように一部の疾病について他の地裁と判断が分かれているということはない。また、同方針では被爆者救済に不十分であることも明らかとなっている。
その上で、広島地裁判決は、松谷訴訟最高裁判決から7年近くの期間が経過したにもかかわらず、厚生労働大臣が分科会に再検討を促したり、自ら資料を収集して適正な認定判断する等の措置をとらずに却下処分をしたのは、職務上尽くすべき注意義務に違反しているとして、国家賠償責任を認めたもので、当然の判決である。
既に集団訴訟の原告63名が亡くなっている今、厚生労働省がなすべきは、病身で齢を重ねた被爆者に鞭打つような控訴をすることではなく、自らの職務上の注意義務に誠実に向き合い、被爆者援護法の精神に即して「新しい審査の方針」を速やかに再改定するともに、集団訴訟を全面解決することである。 - 我々は、国・厚生労働省の不当な控訴に断固として抗議し、原爆症認定集団訴訟の全面解決と原爆症認定基準の抜本的改正が実現されるまで全力を挙げる決意を表明する。
2009年3月25日
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟広島原告団
- 原爆症認定集団訴訟広島弁護団
- 原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 広島県原爆被害者団体協議会
- 爆症の認定を求める集団訴訟を支援する広島県民会議