原爆症認定集団訴訟 千葉第1次訴訟東京高裁判決を受けての申入書
2009年3月12日 厚生労働大臣 舛添要一殿
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟千葉県原告団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
- 原爆症認定集団訴訟千葉県弁護団
一 申し入れの趣旨
- 東京高裁判決に従って上告を断念すること。
- 東京高裁判決の趣旨を踏まえ、「審査の方針」を原爆被害の実態に即したものに再改訂すること。
- 東京高裁判決を機に、全国の原爆症認定集団訴訟を一括解決すること。
- これまでの被爆者切り捨ての認定行政を反省し、被爆者に謝罪すること。
- 厚生労働大臣が私たちと面談して、この申し入れに回答すること。
二 申し入れの理由
(1) 本日、東京高等裁判所第21民事部(渡邉等裁判長)は、原爆症認定千葉訴訟に関して、一審原告2名の認定申請却下処分を取り消す旨の原判決(千葉地方裁判所)を維持し、国及び厚生労働大臣の控訴を棄却する判決を言い渡した。
本判決は、原爆症認定集団訴訟における3件目の高裁判決であり、しかも仙台・大阪高裁に続き、原告全員を原爆症と認定した東京高裁判決として重要な意義を有する。
とりわけ、積極認定の範囲でありながらこれを認定しなかった心筋梗塞の放射線起因性を認め、積極認定とされていない肝機能障害であるC型肝硬変、脳梗塞についても放射線影響の重大性及び心筋梗塞から推定される同様の根拠から認定したものである。
本判決は、積極認定の範囲を拡大するべきことを示すとともに、総合認定に関する基準を提示したものとして重大な意義を有している。
(2)さらに、一審原告2名全員がともに認定されたことは、全国の集団訴訟を一挙に解決することに合理的な根拠があることを広く社会に示すものとなった。
本判決によって、これまで国が行ってきた被爆者の切捨て行政が誤りに満ちたものであったことが明確となった。
昨年11月19日、河村健夫内閣官房長官は「東京高裁判決がタイムリミットだ。それ以上(解決を)遅くすることはない」と明言している。
(3)以上の次第で、私たちは国に対し、上告断念、「審査の方針」の再改訂、集団訴訟の一括解決、謝罪を求めるものである。厚生労働大臣に対し、直接面談をし、私たちの要求に回答することを求めるものである。
以上