被爆者の確定申告 障害者控除が受けられる場合も
所得税の確定申告の時期が近づくと、「被爆者の手当は申告すべきですか」、「被爆者が受けられる控除はありますか」といった相談が寄せられます。
確定申告の基本的なルールは、被爆者も一般国民と同じです。それぞれの状況に応じて適切に申告する必要があります。ただし、「被爆者の制度」に関わる被爆者独自の事柄や気をつけておいたほうがいいこともあります。この点についてまとめました。
被爆者の手当は非課税
被爆者に支給される各種手当(医療特別手当、特別手当、健康管理手当、保健手当、介護手当、小頭症手当など)は、所得税の対象となる収入には当たりませんので、確定申告書の収入欄に記載する必要はありません。
また、被爆者の葬儀をおこなった際に支給される葬祭料も非課税なので、申告の対象にはなりません。
【注意】介護手当そのものは非課税ですが、一般介護手当で介護した人が報酬として受け取った金額が1年間で一定水準を超えると、その人の所得は申告対象になる場合があります。
障害者控除の適用
被爆者本人、あるいは被爆者を扶養している人が確定申告するとき、被爆者手帳を持っているだけでは、障害者控除・特別障害者控除を受けられません。
次に当てはまる場合に、障害者控除が受けられます。
(1)厚生労働大臣から原爆症認定を受け「医療特別手当」または「特別手当」を受けている被爆者本人→特別障害者控除:40万円
(2)同一生計配偶者か、同居を常としている親族が(1)の特別障害者を扶養している場合→同居特別障害者控除:75万円
関連
「被爆者の制度」とは別に、介護保険の要介護度が要介護1から要介護5までに認定されていて、「障害者控除対象者」の申請を区市町村に出して認定されれば、本人または扶養者が「障害者控除」または「特別障害者控除」を受けることができます。
医療費控除について
被爆者は、被爆者手帳で医療保険や介護保険の自己負担分が助成されますが、被爆者も支払わなければならない医療費があります。そうした医療費が一定の水準を超える場合には、医療費控除の申請ができます。
医療費控除は、一般的な医療費のほかに、介護保険の医療系サービスほかの費用も対象になるものがあります。また、市販薬などもセルフメディケーション税制の対象になっているものがあります。
わりと細かく条件が定められていて、この紙面では説明しきれませんので、個別具体的な内容は、お近くの税務署に問い合わせるか国税庁のホームページなどで確認してください。
注意
申告時には「確定申告書」に「医療費控除の明細書」または「セルフメディケーション税制の明細書」を添付すればよく、個々の領収書を添付する必要はありません。しかし、内容の確認のため、税務署から領収書の提示を求められる場合がありますので、申告時から5年間は領収書を大切に保管しておいてください。
早めの準備を
2025(令和7)年分の所得税の確定申告は、2026(令和8)年2月16日から3月16日までです。
申告書への記入や添付資料の準備に不安がある方は、お近くの税務署の相談コーナーでの支援をぜひ活用してください。税務署では、申告書の見本や計算例も用意されていますので、手順を丁寧に教えてもらえます。