制度の申請に必要な「診断書」 依頼のしかたと受け取った後の注意点
被爆者が諸手当を申請するときや更新するとき、被爆二世が医療券(東京都独自の医療費助成)を申請するときなど、医師の「診断書」は欠かせない書類の一つです。
専用の「診断書」
医療機関が発行する一般の診断書では申請できません。まずはこの点を知っておくことがとても大切です。なぜなら、「被爆者の制度」を使うときに必要な「診断書」は、それぞれ専用の様式が定められているからです。例えば、介護手当用、医療特別手当用、被爆二世の医療費助成用など、利用する制度によって細かな項目・書式が異なります。
制度の新規申請にあたっては、東友会に連絡すれば、すぐに専用の「診断書」を含む申請書類一式を送ります。更新の場合は、更新期限の2カ月前に東京都から更新書類一式が送られてきます。
依頼するときは
医師・医療機関に依頼するときは、必ず申請する制度に合った「診断書」の用紙を使ってください。
東友会から申請書を送るときは、東京都と東友会が作成した「診断書を記入するにあたってのお願い」という医師向けの説明書を同封しています。医師が必要な内容を適切に記載できるようまとめた資料ですので、「診断書」の用紙と合わせて医療機関に提出していただくと、スムーズに手続きが進みます。
依頼の窓口に注意
病院や診療所のほとんどは、窓口に受付係や文書担当の職員が配置されています。書いてもらいたい専用の「診断書」用紙は、診察室で医師本人に直接渡すのではなく、受付や文書係に渡してください。文書係は日頃から医療文書を取り扱っており、患者の依頼から「診断書」の発行、受け渡しまでの流れをよく理解しています。不安や疑問があるときは、「この制度の診断書を依頼したいのですが」と相談すれば丁寧に案内してくれるはずです。
受け取り後の確認
「診断書」が完成すると、封筒に入った状態で渡されることがあります。封筒には「診断書在中」と書かれていて、中には「封をしたまま提出してください」と案内されることもあります。しかし、申請に使う「診断書」は、あくまで申請者自身が、費用(診断書料)を払って医療機関に依頼した文書です。書かれた内容を知ることは申請者の大切な権利なので、封筒が閉じられていても安心して開封してください。
開封したら、記載もれがないかを確認しましょう。専用の「診断書」なので、医師の経験不足から記載もれがあることも珍しくないからです。
住所・氏名をはじめ、病名や症状、申請に関係する項目が適切に選択・記入されているかも見てください。更新の場合は、「前回の診断書と違う」など気になる点があるかもしれません。
ただし、「診断書」の内容を申請者が勝手に加筆・修正してはいけません。「診断書」の発行は医師法に基づく行為なので、内容の訂正をできるのは発行した医師だけです。
診断書の写しを残す
東友会に申請書類を送る前に、「診断書」の写し(コピー)を取っておくことが大切です。その後の更新のときなどに、以前の内容を確認できると手続きがスムーズになるからです。次に医師に依頼するときにも、「前回と同じ内容で」など、具体的にお願いしやすくなります。
東友会に相談を
被爆者・二世の制度は独特です。新規申請であれ、更新手続きであれ、疑問や不安があれば、一人で悩まず遠慮なく東友会にご相談ください。