被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 大阪高裁判決についての声明

2008年5月30日

  • 原爆症認定集団訴訟近畿弁護団
  • 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
  • 原爆症認定集団訴訟支援近畿ネットワーク
  • 日本原水爆被害者団体協議会

1,(事実)

 本日、大阪高等裁判所第14民事部(井垣敏生裁判長)は、原爆症認定集団訴訟につき、厚生労働大臣の控訴を全部棄却し、原告全員の原爆症認定申請却下処分を取消した原判決を維持し、原告全員が原爆症として認定されるべきことを言い渡した。

2,(評価)

(1)総論
 原告全員を原爆症と認定したものであり、4月からの新基準による積極認定の対象となっていない疾病についても、広く原爆症と認定した。
 判決は、「入市被爆者や遠距離被爆者についての放射線による被曝が過小評価されている。放射性降下物による被爆や内部被曝が無視されている。」という点を厳しく指摘し、DS86及びDS02を機械的に用いた厚労省の認定手法を厳しく批判した。さらに、原因確率を個々人の疾患などの放射線起因性に適用することを併せて厳しく批判し、審査の方針で対象とされていない疾病についても総合判断のうえ認定を行う必要性があると指摘した。

(2)各論
 甲状腺機能低下症、循環器疾患、貧血など本年4月以降に厚労省が実施している新しい審査の方針によるいわゆる積極認定の対象となっていない疾病についても幅広く放射線起因性を認めた。
 この内容は、新しい審査の方針の発足後、2か月も経たないうちに根本的な見直しを迫るものである。

(3)結論
 被爆者に対して国家補償の責任を負っている国・厚生労働大臣が今回の判決に従わず、上告により争うことは被爆者に対するさらなる加虐行為である。残された時間の乏しい被爆者は、病身にむち打って、原子爆弾の恐ろしさを示し、核兵器が人類を破滅させるものであることを訴えている。その訴えに応えて出された今回の大阪高裁判決とその内容を真摯に受け止め、上告を断念し、被爆者集団訴訟の全面解決と被爆者に対する国家補償の実現を図ることこそ、政府に問われている。

以上